いまから半世紀以上前、筆者は『マルチ商法を斬る』という本を出版した。
当時は、マルチ商法がアメリカから上陸した第3の商法としてマスコミでもてはやされ、取り締まり法も整備されていない時代である。
当時としては画期的ともいえる時代を先読みした本だが、今は絶版になっている。現在は中古市場で3000円だが、出版当時は定価680円のはず。
「絶対儲かるよ!」若者をターゲットにした詐欺やマルチ商法が横行…〈金融トラブル〉を回避する3つの鉄則
配信
「絶対儲かるよ!」若者をターゲットにした詐欺やマルチ商法が横行…〈金融トラブル〉を回避する3つの鉄則
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「絶対儲かるよ!」若者をターゲットにした詐欺やマルチ商法が横行…〈金融トラブル〉を回避する3つの鉄則
2022年より、日本の成年年齢は18歳となりました。そのことから「お金」や「投資」についてのリテラシーも、高校生の段階で身につけておくことが大切です。ここでは若い方々に向け、詐欺やマルチ商法といった金融トラブルを回避するための注意点を、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。
マルチ商法による金融トラブル…お金も人間関係も失うことに
公認会計士のK先生によれば、将来のお金に困ることがないよう、リスクに備える生命保険や損害保険、そして年金保険は、とても重要だということでした。ここでは、金融トラブルの事例と、トラブルを避ける方法について解説します。成人になったばかりの若者を狙った詐欺等により、若い方々がトラブルに巻き込まれるケースが増えています。頻発するトラブルをよく知ったうえで、巻き込まれた際の対処法も学びましょう。8回目の講義です。 K先生:さて、今日は、金融トラブルについて話しをしようか。トラブルに遭わないようにするには、どんな方法があるのか、事前に知っておくことが重要だよ。悪名高い手口の事例をいくつか紹介しよう。 高校生:私は簡単に騙されないので、大丈夫ですよ! K先生:「マルチ商法」って知ってるかな? マルチレベルマーケティング、ネットワークビジネス、連鎖販売取引とも呼ばれるもので、最初に君たち自身が商品やサービスを購入し、その次に、自分が買ったものを友人・知人へ次々と購入させるものだ。この勧誘が連鎖的に続くことを前提として、ピラミッド型に会員を増やしながら商品を販売するシステムのことを「マルチ商法」というんだ。 高校生:へぇー、宗教みたいですね。これのどこが問題なのですか? K先生:マルチ商法は、会員が増えるたびに勧誘した会員やその上層部の会員に、利益が分配されていく仕組みなんだ。ただし、商品・サービスの販売には、自分が商品・サービスを仕入れてから売る必要があるため、支払った代金を回収できなくなったり、無理な勧誘で人間関係を壊してしまったりすることがあるんだよね。 高校生:自分が人へ販売できなかったら、その時点で赤字だとあきらめて、何もしなければいいだけではないですか? K先生:それが、単純な赤字としてすませることができない金額なんだよ。購入する商品があまりに高すぎて、購入代金を支払えなくなるケースが多いんだ。なぜなら「人を紹介すれば手数料が入る」といってマルチ取引の勧誘を受けてしまうと、自分が稼ぐであろう手数料をあてにして、身の丈以上に高い買い物をおこなってしまいやすくなるからなんだ。このために消費者金融でお金を借りて買ってしまい、借金を返せなくなるケースもあるんだ。
「絶対儲かるよ!」若者をターゲットにした詐欺やマルチ商法が横行…〈金融トラブル〉を回避する3つの鉄則
2022年より、日本の成年年齢は18歳となりました。そのことから「お金」や「投資」についてのリテラシーも、高校生の段階で身につけておくことが大切です。ここでは若い方々に向け、詐欺やマルチ商法といった金融トラブルを回避するための注意点を、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。
マルチ商法による金融トラブル…お金も人間関係も失うことに
公認会計士のK先生によれば、将来のお金に困ることがないよう、リスクに備える生命保険や損害保険、そして年金保険は、とても重要だということでした。ここでは、金融トラブルの事例と、トラブルを避ける方法について解説します。成人になったばかりの若者を狙った詐欺等により、若い方々がトラブルに巻き込まれるケースが増えています。頻発するトラブルをよく知ったうえで、巻き込まれた際の対処法も学びましょう。8回目の講義です。 K先生:さて、今日は、金融トラブルについて話しをしようか。トラブルに遭わないようにするには、どんな方法があるのか、事前に知っておくことが重要だよ。悪名高い手口の事例をいくつか紹介しよう。 高校生:私は簡単に騙されないので、大丈夫ですよ! K先生:「マルチ商法」って知ってるかな? マルチレベルマーケティング、ネットワークビジネス、連鎖販売取引とも呼ばれるもので、最初に君たち自身が商品やサービスを購入し、その次に、自分が買ったものを友人・知人へ次々と購入させるものだ。この勧誘が連鎖的に続くことを前提として、ピラミッド型に会員を増やしながら商品を販売するシステムのことを「マルチ商法」というんだ。 高校生:へぇー、宗教みたいですね。これのどこが問題なのですか? K先生:マルチ商法は、会員が増えるたびに勧誘した会員やその上層部の会員に、利益が分配されていく仕組みなんだ。ただし、商品・サービスの販売には、自分が商品・サービスを仕入れてから売る必要があるため、支払った代金を回収できなくなったり、無理な勧誘で人間関係を壊してしまったりすることがあるんだよね。 高校生:自分が人へ販売できなかったら、その時点で赤字だとあきらめて、何もしなければいいだけではないですか? K先生:それが、単純な赤字としてすませることができない金額なんだよ。購入する商品があまりに高すぎて、購入代金を支払えなくなるケースが多いんだ。なぜなら「人を紹介すれば手数料が入る」といってマルチ取引の勧誘を受けてしまうと、自分が稼ぐであろう手数料をあてにして、身の丈以上に高い買い物をおこなってしまいやすくなるからなんだ。このために消費者金融でお金を借りて買ってしまい、借金を返せなくなるケースもあるんだ。
Number 138
8 時間前