ムンバイに2泊した後、朝のエアーインディア便でジョートプルへ飛んだ。
昨年国営からインドの大財閥、タータグループに経営権が移り、いきなり最新鋭機500機の発注を行ったエアーインディア。この区間を飛ぶLCCより安い価格で売っているにもかかわらず、2時間弱のフライトでも温かい機内食まで出てさすが財閥経営。遅れもなく、やっぱり民営化は正しい道だと思う。
ジョートプルの空港はブルーシティーと呼ばれるだけあって、青を基調とした可愛らしい空港だった。にもかからず空港内には高射砲や戦車に戦闘機も駐機している軍民兼用でちょっと物々しい雰囲気。写真も厳禁だと再三機内で放送があった。ジョートプルは経由地でここから目的地であるジャンサルメールへバスで向かう。ムンバイ空港のプリペイドタシクーで痛い目に合ったので、ここは空港の外へ出て流しを拾う。ジョートプルはウーバなどの配車アプリは未だ使えなかった。一台のオートリクシャーのおやじに料金を聞くとSNSで知った相場の倍の価格だったので、少し歩いて他のリクシャーのおやじに聞くと最初のおやじの半分以下だった。良心的だなと思い、この人にお願いすると最初のおやじが物凄い怒号をあげてやってきた。以下は想像です…。
最初のおやじ:「おりゃー、俺の客を取るんじゃねーよ!」
良心的おやじ:「俺は聞かれたから、答えただけだろ!」
最初のおやじ:「うるせー、余計なこと言ってんじゃねー、引っ込め!」
良心的おやじ:「お前の価格じゃ乗らねえって言ってんだよ、お前こそ引っ込め!」
最初のおやじ;「ふざけんな、これから交渉するんだよ!」
こんな感じのやり取りの後、最初のおやじが良心的おやじに掴みかかり、これはもしや殴り合いになるかと思われたところで、恐怖を感じた良心的おやじが折れた感じになった。娘は妻の陰に隠れドン引きしいてた。私は「これこれ、これぞインドじゃないか。こういうのがないとインドじゃない…」と、ちょっと楽しくなってしまった。
結局、最初のおやじが良心的おやじの価格で手打ちとなった。けれど急いで追っかけてきた時、オートリクシャーが道路脇の溝にはまり、私たちも道路にあげるのを手伝う羽目に。おやじが娘にも「お前も手伝え!」と促し、娘は浮かない顔で渋々手伝っていた。長旅の時はこういうのは鬱陶しくもあったが、なかなか旅に出られない今、こういう珍事はちょっと楽しくもある。
ジャイサルメール行きのバス停に着くとちょうど20分後に出るバスがあった。このバス2階建てで1階は2人用座席、2階は左側は1人用の寝台席が5つ、右はダブルの寝台席が5つといった初めて見るタイプだった。けれどエアコンは付いていない。SNSの情報では、この区間のバスは時々乗車率150%にもなるので、空いていれば迷わず寝台席を取るべしとの記事もあり、ちょうど1人用寝台席が3席開いていたので素直に従った。1人600ルピー(1,080円)。ちなみに通常席は300ルピー(540円)だった。ここからジャイサルメールまではちょうど6時間、昼間なので本来寝台など不要だが、後から人がどんどん乗り込んで来るし通路までいっぱいになるのでこれで良かった。エアコンはないが走れば涼しいし、何より足を延ばせてるのは楽だった。それよりも高い位置から外を眺められるし、窓を開けてても物売りやバクシーシの手も入ってこないのが気楽だった。
車内では通りすぎる田舎の村々を眺めていた。途中の村では赤やオレンジ色のサリーを着た女性たちが給水車からのホースに群がって水浴びをしていた。路上なのに大胆に肌を露出している人もいた。なんおか祭りっぽい雰囲気でもあり、それにしても乾いた茶色い土地にカラフルなサリーは良く映える。
バスは小さな村や時々何もない路上で人を拾ったりしながら進んだ。人のいない風景が穏やかで心地良かったが、やっぱり牛の糞の臭いがずっとしていた。
後で娘がこのバスの移動が一番印象に残っていると言っていた。
つづく…。
昨年国営からインドの大財閥、タータグループに経営権が移り、いきなり最新鋭機500機の発注を行ったエアーインディア。この区間を飛ぶLCCより安い価格で売っているにもかかわらず、2時間弱のフライトでも温かい機内食まで出てさすが財閥経営。遅れもなく、やっぱり民営化は正しい道だと思う。
ジョートプルの空港はブルーシティーと呼ばれるだけあって、青を基調とした可愛らしい空港だった。にもかからず空港内には高射砲や戦車に戦闘機も駐機している軍民兼用でちょっと物々しい雰囲気。写真も厳禁だと再三機内で放送があった。ジョートプルは経由地でここから目的地であるジャンサルメールへバスで向かう。ムンバイ空港のプリペイドタシクーで痛い目に合ったので、ここは空港の外へ出て流しを拾う。ジョートプルはウーバなどの配車アプリは未だ使えなかった。一台のオートリクシャーのおやじに料金を聞くとSNSで知った相場の倍の価格だったので、少し歩いて他のリクシャーのおやじに聞くと最初のおやじの半分以下だった。良心的だなと思い、この人にお願いすると最初のおやじが物凄い怒号をあげてやってきた。以下は想像です…。
最初のおやじ:「おりゃー、俺の客を取るんじゃねーよ!」
良心的おやじ:「俺は聞かれたから、答えただけだろ!」
最初のおやじ:「うるせー、余計なこと言ってんじゃねー、引っ込め!」
良心的おやじ:「お前の価格じゃ乗らねえって言ってんだよ、お前こそ引っ込め!」
最初のおやじ;「ふざけんな、これから交渉するんだよ!」
こんな感じのやり取りの後、最初のおやじが良心的おやじに掴みかかり、これはもしや殴り合いになるかと思われたところで、恐怖を感じた良心的おやじが折れた感じになった。娘は妻の陰に隠れドン引きしいてた。私は「これこれ、これぞインドじゃないか。こういうのがないとインドじゃない…」と、ちょっと楽しくなってしまった。
結局、最初のおやじが良心的おやじの価格で手打ちとなった。けれど急いで追っかけてきた時、オートリクシャーが道路脇の溝にはまり、私たちも道路にあげるのを手伝う羽目に。おやじが娘にも「お前も手伝え!」と促し、娘は浮かない顔で渋々手伝っていた。長旅の時はこういうのは鬱陶しくもあったが、なかなか旅に出られない今、こういう珍事はちょっと楽しくもある。
ジャイサルメール行きのバス停に着くとちょうど20分後に出るバスがあった。このバス2階建てで1階は2人用座席、2階は左側は1人用の寝台席が5つ、右はダブルの寝台席が5つといった初めて見るタイプだった。けれどエアコンは付いていない。SNSの情報では、この区間のバスは時々乗車率150%にもなるので、空いていれば迷わず寝台席を取るべしとの記事もあり、ちょうど1人用寝台席が3席開いていたので素直に従った。1人600ルピー(1,080円)。ちなみに通常席は300ルピー(540円)だった。ここからジャイサルメールまではちょうど6時間、昼間なので本来寝台など不要だが、後から人がどんどん乗り込んで来るし通路までいっぱいになるのでこれで良かった。エアコンはないが走れば涼しいし、何より足を延ばせてるのは楽だった。それよりも高い位置から外を眺められるし、窓を開けてても物売りやバクシーシの手も入ってこないのが気楽だった。
車内では通りすぎる田舎の村々を眺めていた。途中の村では赤やオレンジ色のサリーを着た女性たちが給水車からのホースに群がって水浴びをしていた。路上なのに大胆に肌を露出している人もいた。なんおか祭りっぽい雰囲気でもあり、それにしても乾いた茶色い土地にカラフルなサリーは良く映える。
バスは小さな村や時々何もない路上で人を拾ったりしながら進んだ。人のいない風景が穏やかで心地良かったが、やっぱり牛の糞の臭いがずっとしていた。
後で娘がこのバスの移動が一番印象に残っていると言っていた。
つづく…。