「エコノミーのお客様は23キロまでです。これ以上は、超過料金をいただくこと
になりますが…」
バンコクの空港で、キャセイパシフィック航空のチェックインカウンターでの
出来ごとである。荷物を載せると、カウンターの隅にデジタル表示で重量が
見える。
「38キロ」と表示されていた。
15キロオーバーである。あわてて、「ハンドキャリーにしますから…」というと
そこでやってもいいからと言ってくれた。後ろにたくさんの人が並んでいるので、
大変ありがたい配慮だと思ったのはつかの間で、あとで、とても恥ずかしいこと
だと思い知らされたのは、一度荷物を全部出し、詰め直し作業をしている時である。
そもそも、勘違いをしていたのだ。いつもはタイ航空を使っていて、マイレージ
メンバーだとエコノミーで30キロまで載せてくれるのである。つまり30キロまでと
いうことは、35キロくらいまでなら多めに見てくれるので、その感覚でいたのであ
った。今回はキャセイで来てるのに、なぜか、タイ航空のつもりでいたのである。
疲れていたのかもしれない…。
で、何が恥ずかしいのかと言うと、チェックインカウンターの横で荷物をさらけ
出し、詰め直している姿を、後から来る方々に「なんだ、こいつ…、なんだこの荷
物は…」と冷たい目で見られることである。どうみても、土産ものではないモノを
大量に15キロも抱えているわけである。詰め直すのに20分以上もかかってしまい、
ほんとうに恥ずかしかった。
他の荷物は、すでにカーゴで送っているわけで、こんなことになるなら、一緒に
送ってしまえばよかったのだ。たった15キロのことだが、大変後悔した次第である。
さらに言えば、15キロの荷物を機内のそれも、頭上のコンパートメントに持ち上げて
入れるのは、容易ではなかった。よろけて倒れそうになるし、客室乗務員にも嫌な顔
されるしで、散々だった。さらに香港で一度降りて、再び日本行きで同じことをしな
くてはならずで、もう思い出したくないほどである。
今回チェンマイで、久しぶりに軽井沢に住む友人夫婦らと会った。彼らもちょうど
仕事で来ており、いいタイミングだったのだ。
彼らは、すでに10年以上、いつ働いているのかわからないような生活をしており、
「仕事で汗をかく…」ということを、とうの昔に忘れてしまっている方々である。
この2人と話していると何だかまじめに働くのが、アホらしくなってくるのだが、
「昨年は、売り上げが少なくて…」などと言いながらも、2人そろってビジネス
クラスで来ていた。その時も食事しながら、「仕事なんだから、ビジネスで来れ
ば良いのに…」と諭されていたのだ。
「いやいや、そんな贅沢はできないですよー」と返したが、カウンターの横で
必死になって荷物を詰め替えている時に、2人の顔が浮かんだ。
「だからビジネスで来ればよかったのに…」
そんな声がどこからか聞こえてきた。
これからは、もう少し人の話に耳を傾けようと思った次第である。
になりますが…」
バンコクの空港で、キャセイパシフィック航空のチェックインカウンターでの
出来ごとである。荷物を載せると、カウンターの隅にデジタル表示で重量が
見える。
「38キロ」と表示されていた。
15キロオーバーである。あわてて、「ハンドキャリーにしますから…」というと
そこでやってもいいからと言ってくれた。後ろにたくさんの人が並んでいるので、
大変ありがたい配慮だと思ったのはつかの間で、あとで、とても恥ずかしいこと
だと思い知らされたのは、一度荷物を全部出し、詰め直し作業をしている時である。
そもそも、勘違いをしていたのだ。いつもはタイ航空を使っていて、マイレージ
メンバーだとエコノミーで30キロまで載せてくれるのである。つまり30キロまでと
いうことは、35キロくらいまでなら多めに見てくれるので、その感覚でいたのであ
った。今回はキャセイで来てるのに、なぜか、タイ航空のつもりでいたのである。
疲れていたのかもしれない…。
で、何が恥ずかしいのかと言うと、チェックインカウンターの横で荷物をさらけ
出し、詰め直している姿を、後から来る方々に「なんだ、こいつ…、なんだこの荷
物は…」と冷たい目で見られることである。どうみても、土産ものではないモノを
大量に15キロも抱えているわけである。詰め直すのに20分以上もかかってしまい、
ほんとうに恥ずかしかった。
他の荷物は、すでにカーゴで送っているわけで、こんなことになるなら、一緒に
送ってしまえばよかったのだ。たった15キロのことだが、大変後悔した次第である。
さらに言えば、15キロの荷物を機内のそれも、頭上のコンパートメントに持ち上げて
入れるのは、容易ではなかった。よろけて倒れそうになるし、客室乗務員にも嫌な顔
されるしで、散々だった。さらに香港で一度降りて、再び日本行きで同じことをしな
くてはならずで、もう思い出したくないほどである。
今回チェンマイで、久しぶりに軽井沢に住む友人夫婦らと会った。彼らもちょうど
仕事で来ており、いいタイミングだったのだ。
彼らは、すでに10年以上、いつ働いているのかわからないような生活をしており、
「仕事で汗をかく…」ということを、とうの昔に忘れてしまっている方々である。
この2人と話していると何だかまじめに働くのが、アホらしくなってくるのだが、
「昨年は、売り上げが少なくて…」などと言いながらも、2人そろってビジネス
クラスで来ていた。その時も食事しながら、「仕事なんだから、ビジネスで来れ
ば良いのに…」と諭されていたのだ。
「いやいや、そんな贅沢はできないですよー」と返したが、カウンターの横で
必死になって荷物を詰め替えている時に、2人の顔が浮かんだ。
「だからビジネスで来ればよかったのに…」
そんな声がどこからか聞こえてきた。
これからは、もう少し人の話に耳を傾けようと思った次第である。