映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

202分の充実感

2009-11-01 12:11:06 | 新作映画
 昨夜、意を決して「沈まぬ太陽」を観て参りました。若かりし頃は3時間を越える映画を観る事に幸せを感じていましたのに、今となっては2時間20分が限度、出来れば90分位で気持ち良くさせて欲しいと願っています。昔と比べて映画の尺がかなり伸びていますので、あまり短すぎるのも観客からすると損した気持ちになってしまうのかもしれませんが、結論めいた事を申し上げるならば、楽しい(良い)映画は短く感じるものです。今日観てきた森田の「わたし出すわ」は、「沈まぬ太陽」の半分の尺しかありませんが、時間的感覚は倍にも感じました。

 その意味からも、山崎豊子の膨大なる原作をここまで圧縮して、尚且つ恩地という人物が過不足無く描ききれた事は大成功ではなかったかと思うのです。映画の質としては色々申し上げたい事はありますが、今日、このような大作を創りだそうとする映画屋の心意気に打たれました。渡辺謙が初日舞台において男泣きに泣いたと報道がありましたが、単なる宣伝ではなく、さもありなんと思わせるほどの力の入りようでした。日本映画でこのような力の入った作品が観られる事をとても幸せに感じます。ありがとうございました。