リタイアせず全作品見終わった
大河ドラマも一年全話コンプリートできた
簡単に秋ドラマの感想を書き記す
深夜ドラマらしく低予算で作られたから知ってる役者は誰もいないけど、きっと生徒Aの中から将来プライムタイムのドラマに顔出す子がいるんだろうな
主役の永瀬莉子は映画「君は放課後インソムニア」で準主役っぽい美味しい役を演じていたから、来年はもう少し目立った活躍が見られるかもしれない
物語は学園祭の仮装コンクールで優勝し、人形作りが好きなコンプレックスを乗り越える事が出来た五条君の成長は良しとして、彼に恋心を上手く伝えきれない海夢ちゃんのモヤモヤが残った
原作も続いているようだし、アニメ2期も制作中と聞く。このドラマも2期があるのだろうか
「宙わたる教室」
NHKの良心が作らせた佳作だった
定時制高校の教室に火星を作りだすというロマンを、氏素性の異なる4人が研究者崩れの先生指導のもと達成させるまでの物語
途中の紆余曲折に些か退屈さを感じたけど、終盤に皆んなが同じ目標に向かう眼差しに泣かされた
一生懸命に何かを目指している人は老若男女関係なく格好良い
「光る君へ」
武者が騎馬で東国へ去るのを見送りながら、紫式部の「嵐が来る」と呟くストップモーションで平安大河は締められた
斬新なラストシーンだったけど、そもそも平安貴族のお話や女流作家を主人公にする設定が大河ドラマとしては斬新だった
視聴率は戦国三武将だったり幕末動乱の話しの方が派手だし、主な視聴者である高齢者男性に受けがいいだろう
もうその手のやり尽くされた蘊蓄系ドラマに飽き飽きしてるわたくしの様な者には、源氏物語を内裏で生活しながら書きあげた紫式部の物語は魅力的だった
1000年を超えるベストセラー作家とて、当時を生きた女性の史記はないから大部分は道長の歴史的事実を基にした創作だったろう。だからこそ、欲を言えばもっとトキメクような恋愛ドラマにして欲しかった気もする
死にゆく道長の枕元で物語を語る姿は神々しいので、あの穏やかな夜こそ二人の愛の深さなのかもしれないけど
源氏物語が優れているのは、人生の光だけを描写するのではなく、強い光には必ず濃い影があることを描いた点だ。このドラマで権勢の暗がりや道長の影、強いて言うなら紫式部の創作過程での苦悩がもっと描けていたならと、無いものねだりをしたくなる
「放課後カルテ」
最近の子役の演技力は凄まじいと、このドラマでも再確認する
昔から天才子役は必ずいた。その殆どは今も活躍してるから、才能は生まれながらに持っていて研鑽しながら一流の役者になってゆくのかもしれない
昨今の凄さは一握りの天才ではなく、押し並べてクラス全員がハイレベルな演技ができるのだ
こうなれば脚本も演出も偏る事なく色々なエピソードを用意することができる
先生同士のエピソードが燻んで見えたのは、子供たちが輝いていた事の写し鏡だったからか
主演の松下洸平は役幅を広げることができてお得なキャスティングだったと思う
「モンスター」
法廷劇がとても良くできてる話と、こじつけの無理ある展開のまま終わらせてしまう酷いエピソードがあって、最初から最後まで趣里の一人芝居鑑賞会を見るための時間だった
「海に眠るダイヤモンド」
やっぱり現代版は蛇足にしか思えない。いや、現代版だけでも下手なドラマより面白いと思うのだが、なにせ軍艦島に生きる人々が魅力的で現代人が薄っぺらく見えてしまうのだ。日本がダイナミックに変貌してゆくあの時代を懐かしく思える人は毎年少しずつ減っている。それ故に新鮮に映るのか、現代版の人々がつまらなそうに見えて感情が動かず、反して戦後を引きづりながら生きてた彼等に惹かれる
取り分け、池田イライザと斎藤工は影と光を持ち合わせている人物を好演してた
最終回でなんで鉄平と朝子は結ばれなかったのかが語られた。あの場から逃げざるを得ないのはある程度理解できるとして、朝子を置き去りにしたことの理由が弱くて感動しきれなかった
野木亜紀子作品としては今ひとつだけど、ドラマとしては一級品だ
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