映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

アメリカとNASAと黒人女性達のドリームと

2017-10-14 20:41:06 | 新作映画

たまにアメリカ人が偉いなぁ思う映画を観る。
何割かはいけ好かない偽善を感じるけど、恥部を晒す勇気と正義感は日本人のわたくし達に持ち得ない美徳だ。金曜日のレイトショウで奥様と観たこの作品もそんなひとつだ。
「ライトスタッフ」が描いていたアメリカの宇宙開発の歴史を見せてくれながら、一番の見せ場はあの当時マイノリティーの頂点だっただろう黒人女性の活躍に焦点をあてたことが新鮮だった。

1961年。わたくしの生まれた年に、あのアメリカでもこれほどまでに人種差別があったんだ。それが素直な衝撃だった。当然、彼の地で白人と黒人の間に我々が理解し得ない溝が今も存在することは知っている。でもトイレまで別々に使用しなければならなった事や、仕事場まで分けられていた事が自分の生まれた頃のアメリカで、それも科学の最先端が集約されていただろうNASAでも日常的だったことは知らなかった。
あんなに息苦しい時代がすぐそこにあった事を忘れてはいけないんだろう。日本に住んでいるとそんなことも知らないでいるし、感じることも少ない。

エピソードとして感心したのは、計算係として沢山雇われていた彼女達の仕事を奪うIBMのコンピュータが導入される時、ただ指くわえて怯むのではなくそのコンピュータを操る人になろうとして努力する機転と強さだった。これもアメリカ人のフロンティア精神を垣間見せてくれる興味深い挿話だ。