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今放送中のテレビドラマ主演の二人が共演しているのは単なる偶然なんだろうけど、そんな事が気になる序盤だった
この世から疱瘡が根絶されて何年経ったのだろう。わたくしが子供の頃には罹患した人に会ったことないし、結核の予防接種(BCG)は経験してるけど種痘の記憶はない。天然痘と言う病気はそれ程に古の病いだし、人類が抑え込んだ画期的な医学の勝利としてと語られる側面の方が目立っている
かつての日本でも死病として恐れられていた病気に立ち向かった医師達とそれを支えた人々の物語
名声や利益のために生きる現代人へのアンチテーゼ。コスパやタイパなんてせこい考え方が恥ずかしくなる
時代物を得意とする小泉監督作品なので、それなりの完成度は保証できるのだけど、初期の作品にあった鮮烈さみたいなものが無くなった
「雨あがる」「阿弥陀堂だより」が持ってた清々しい後味を期待していたら、少し残念な思いをするかも
良く言えば円熟した安定感。でも、欲しかったのは、雨上がりにしか感じることの出来ない爽やかな空気感なんだよ
わざとらしくて鼻白んだは、厳冬の雪山を越えるシーン。作劇上、過酷な試練を乗り越えてこその感動的な種痘成功を描きたかったのは理解できるけど、なぜあの季節を選ぶ必要があったのかが不明で、説得力ある前振りは加えるべきだった
それにしても、時代物だけの事じゃないが役所広司や渡辺謙が画面に登場するだけで絵が締まるのは凄いこと。この2人がいるうちは日本映画大丈夫な気がする
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