西加奈子の原作は前に読んでいる。最近刊行された「サラバ!」「i」のような面白さは無かった。人物の造詣があまり上手ではなく、初期の作品だから仕方ないけどなんだか詰め込み過ぎで疲れちゃう小説だった。
そんな原作を上手い脚色と演出で面白くして欲しかったけど、やっぱりただなぞっただけの映画で終わってしまった。
長男の死を克服して再生する家族の物語にしたいのなら、もっとあざとらしくドラマチックに描いたほうが感動できるのになぁ。それじゃテレビドラマでやれば良いじゃないかと思うのはごもっとも。どうせなら妹の兄に対する度を超えた恋愛感情爆発の物語でも良かったのに。原作通り次男の目線で語られる家族はどこか白々しくて誰にも肩入れすることができなかった。
せっかく小松菜奈を妹役に据えたんだから彼女のポテンシャルを生かしたお話を作ればよかったのに。菜奈ちゃんファンとしてはそんな風に思うのです。