映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

ボクのウルトラマン

2022-05-14 19:04:00 | 新作映画
エヴァは湧き出るように出現する使徒と戦う巨人だった
何だ、元ネタはウルトラマンだったのか
それは新しい発見
謎の巨人が活躍する物語の原型に気付けたのが一番の収穫

ウルトラQや怪奇大作戦のおどろおどろしさに怖気ていた。子供心にも不思議でなんせ怖かった
そこへいくとウルトラマンやセブンは人類の味方だったし、毎週怪獣をやっつけてくれるから楽しかったな。何で次から次へと日本ばかりに破壊を繰り返す怪獣が現るのかなんて考えもしなかった


怪獣という世界に誇る日本のサブカルを同世代である庵野氏がどの様に蘇らせたのか興味があるし、何より手垢のついたゴジラを洋邦どの作品よりも面白く作り変えた事に期待していた

初っ端、そのスピードについていけない程の速さで次々怪獣が日本国土を蹂躙する辺りはワクワクさせられて、これは楽しめそうだと思ったのだけど

樋口監督の人間描けない致命的な演出力の不足と、庵野脚本もエヴァ最終話やQの様な悪い自己満足に陥ってしまい酷く退屈な映画になってしまった

巨人化した長澤まさみお姉ちゃんのパンチラが見えそうで見えなかったことの方が印象に残っちゃってるのって、完全な失敗作でしょ。朝早くからシンゴジラ同様の期待をして劇場に集まった人たちはさぞかしガッカリしただろうナ

さっきCS放送でウルトラマン傑作集を放映していて、ジャミラの話を観たけどあの視点は半世紀たっても色褪せないどころか、一層身につまされる痛みを伴い迫ってくる
あの志し高かった名作を汚す様で、悲しみより静かな怒りの方が大きい

仮面ライダーかぁ・・・
観るだろうけど、全く期待しちゃいけないことを忘れないでおこう





First of May

2022-05-08 11:14:00 | 歳時記雑感
日曜日の朝、近所の公園を散歩してます

29日からのゴールデンウィークもいよいよ最終日(わたくしは明日もお休みですが)

皆さんコロナ縛りが少々緩んで、5月の爽やかな風を感じられましたでしょうか



3日間お魚釣りして、2日動物園にも行きました

映画を一本観て、友人と昼飲みしたのも時間を忘れられるひと時でした

里山巡りなどでなるべく歩数を稼いだお陰か、体重計も怖くありません



若葉のころ

美しい季節を楽しみましょう



ブラナーのアマルコルド「ベルファスト」

2022-05-06 08:35:00 | 新作映画
学生時代からの友人と還暦過ぎてから頻繁に飲むようになり、先日も10人近くで宴卓を囲んだ
元々酒飲みサークルだったから皆お酒には強い。女性(猛烈なオバチャンばかり)だって例外なく浴びるように飲む
初っ端からガンガン飲んで当たり前の様に二次会へ雪崩れ込む

二次会になると本性みたいなものが現れ、好きな映画の話が始まる
今でも好きな古の作品から最近観たおススメ作品の紹介なんかが取り留めもなく繰り返される
仕切りは怖いもの無しのオバチャン(妙齢のご婦人と注釈)

この作品はアンタに観て欲しいから必ず観るようにとキツく諭されたのが昨夜観たこの映画

1969年北アイルランドに過ごしたケネス・ブラナーの自伝的なお話だ。お母さんや祖父母に囲まれた普通の少年が故郷を捨てなくちゃならない物語に同情はするけど、その理由が宗教的対立である事にわたくしは納得は出来ないしむしろそんな世界を軽蔑する
宗教って人を救うためのものでしょ?何でほんの小さな違いを許容できないのか皆目分からない
その国独特の環境や歴史、民族や宗教観を理解しきれないから外国映画との距離をとったのだが、年を経た今になってもその距離感は開いて行くばかりだ

この映画に寄り添えたことは二つ
自分と同年代に生きた少年の世界は全然違う世界にいたけれど、何となく共有出来るものが多かった。観ていた映画に興奮したり、小さな恋のメロディーでも描かれたイギリスの小学生たちの日常に親近感を覚えたことなどなど
もう一つ、少年時代の時に味わったノスタルジックな感傷が、イタリアの巨匠フェリーニの傑作アマルコルドに通じる普遍性を備えていたことが大きな要因

家族皆んなで生まれ育った故郷を捨てなくてはならない感情も山田洋次監督の作品に通ずるものがあり、胸を締め付けられる寂寥の思いはよく分かるのだ

ラスト、ベルファストに留まるおばあちゃんが呟くあの台詞が、田舎を出て40年以上たったわたくしの心を揺さぶる