筒井康隆のロングセラー家族八景の漫画化。
発行部数が少なくいくら待ってもブックオフに出ないので、アマゾンの古本で買いました。
コミックだと1円で売っているのが多いのね・・・送料が250円だから、251円の出費になるけど・・・それでも、ブックオフの通常値段より安いので、手に入りにくいコミックス購入にはちょうど良いです。
さて、内容ですが、筒井康隆の小説だと、主人公の七瀬は、美人であること以外に容姿についての描写が無ありません。そのたび、漫画や映画やドラマになるたびに、いろいろな七瀬を見られるという楽しさがあります。また、七瀬3部作と言われる「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」の内容が、主人公が同じなだけで、まったく違った趣向の小説だということも、いろいろな七瀬を世の中に送り出して来ていると言えるでしょう。
この作品の七瀬は、やや少女漫画がかった少年誌のキャラクターで、しかもやや古風なスタイルなところが魅力的でした。筒井康隆も気に入ったらしく、あとがきでべた褒めしています。
テレパスを描いた作品なので心理描写がほとんどですが、それが軽妙に処理されていて実に読みやすい作品になっています。
しかし、まあ、酷い家族ばかり8つもよく描けたなあと思います。あかねちゃんは、これを読んで、「うちの家族はまともな方だと思った」と感想を語っていました。