むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

稲穂の海(熊谷達也)文藝春秋

2017年03月14日 | 読書

仙台周辺の1970年前後を舞台にした短編小説集。

捕鯨縮小、水田の転作、住宅団地化など、当時の社会情勢の変化の中で生きていく人たちが主人公になっています。

表題作の「稲穂の海」は、稲作農家が主人公ですが、切り口が少し変わっていて、国の減反政策の犠牲者と思わせながら、その他愛のなさを殴るえぐるというすさまじさで叩きます。さすがにプロの小説家ってのは書くことがえぐいですな。

他の短編では、小説の中でなければ起きえないような偶然を書いていますが、そういうのが好きな人にはお勧めです。

 

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