活版印刷三日月堂シリーズの過去がつまった番外編となります。
このシリーズは、全6冊。
1巻『星たちの栞』
2巻『海からの手紙』
3巻『庭のアルバム』
4巻『雲の日記帳』
番外『空色の冊子』(過去)
番外『小さな折り紙』(未来)
となっており、すでに本編4冊と番外編の未来を読んでいるので、シリーズ読了となりました。
本書には、本編の主人公 弓子の赤ん坊のときからの過去を織り交ぜながら、本編に登場した人たちや、その周りの人たちの人間模様を描きます。
このシリーズを通して、感じるのは、どの話もささやかな創作の物語だと言うことです。
それは、栞だったり、朗読会であったり、小冊子であったり、卒園アルバムだったり、と、誰もがやったことがある、どちらかと言えばアマチュア側のものでしょう。
それを手伝うのが町の印刷屋三日月堂です。
このシリーズを通して、そんな小さな営みがつづいていることに癒しを感じます。確かにプロの生命を削って作るような創作物はすばらしいですが、アマチュアの娯楽としての創作物もちがった楽しさがあるものです。それを思い出させてくれる小説集だと思います。