1時間にも満たない短い作品なのですが、劇場公開作と言うので驚きです。
amazonプライムで、やたらおススメにでてくるので鑑賞しました。
見終わったときの感想は「友達が死んでしまったら悲しいよね。はいはい……」でしたが、作画の気合の入れ方や作品が持つ熱量が気になって、この作品は作り手が作りたくて作ったものではないか? と思えました。
何か伝えたいことがあるのだろうと思って、よく考えてみることに。
原作マンガの作者は「チェーンソーマン」を描いた人。ほんとうは、こういう作品を描きたかったのだなと感じました。そして、アニメを指揮した監督や、作画したアニメーターも何か伝えたいものがあるから、興行収入など考えずに地味なテーマを突き詰めていったのだと思います。
何が描きたかったのか、それは「このシーン、無くてもいいんじゃね?」と思うような変な挿入にあるかと思います。この作品で言えば、主人公が幻として見る死んだ友人が引きこもったままだったらと言う、もう一つの過去です。
過去では、通り魔に殺されそうになった友人を主人公が助けることになっているのですが、結局は、二人とも同じような道を選んでいて、それほど変わった未来が待っているとは思えません。
しかし、やはり、違うのです。どちらを選んでも、未来はさほど変わらない。だけど、やっぱり違う。
そして「背中を視ろ(ルックバック)」そこに残っているもの、それが過去からの積み上げであり、それを与えてくれた人が消えても、それは残っているという現実と、それを背負って生きることの辛さと感謝を伝えたかったのでしょう。
なんて、深読みして楽しませてもらったアニメでした。