明治時代、武士の世が終わり、同時に日本には西洋文化が流れ込んできました。
そこで、英文で諸外国に武士道を紹介するために書かれたのが本書です。
原文が英語ですから、その日本語訳になります。
武士道の教えと、古今東西の騎士道やキリスト教、中国思想などと共通点を説明しながら、武士道の独特の道徳や哲学をあぶり出すことに成功しています。
武士道が決して封建制度の決まり事ではなく、日本人の魂の根底に流れる道徳の源であることが解ります。
似たような思想が世界各国にありますが、どれにも匹敵する清らかな精神が流れているのです。
著者は、明治の時代ではありますが、武士道が日本人の中から失われていくことに懸念を表明しています。
しかし、令和に生きる者として、武士道は決して日本人の中から無くなっていないことを感じます。
形は変わっても、その時代、時代に、合った魂の形があるのでしょうし、日本人のそれを武士道と呼んでも大和魂と呼んでも差し支えない気がします。
それは、他国や他宗教の文化を卑下するのではなく、理解して、そこから学ぶことからくるのだと思いました。
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