本のサナギ賞受賞作。
天保の大飢饉で、全滅寸前の村から、女衒(ぜげん)に買われ、吉原に連れてこられた9歳の少女が、遊郭で生き残り、花魁まで出世します。
しかし、いくら出世しても借金が増えるばかりのシステムが遊郭にはあるのです。
そこで生きている限り、最期は病魔に侵されるか、火事で焼け死ぬか、年老いて無一文同然で遊郭を出ていくか、悲惨な末路を辿ることになるのです。
大金を積んで見受けされるか、足抜け(脱走で重罪)するかの道しかないのでした。
主人公の駒乃が、じゃじゃ馬気質であることと、周りのドタバタ劇やユーモアのある演出、また、遊郭の厳格なルールの裏側などをコミカルの描いているので、テンポよく読めました。
江戸時代末期の今と比べると粗末な生活の中で、生きることに命を燃やすエネルギーを感じられる小説となっています。
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