田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『昼下りの決斗』

2019-05-27 14:08:27 | 映画いろいろ
『昼下りの決斗』(62)(1981.3.16.)



 サム・ペキンパー監督初期の正統西部劇。淡々としていながら、老境に入った2人のガンマン(ランドルフ・スコット、ジョエル・マックリー)の悲哀を見事に描いている。

 老眼鏡をかけて契約書を読む場面、馬に乗ってリューマチで腰が痛いと嘆く場面など、おかしいというよりも哀れという表現がぴったりの2人。とはいえ、ラストはその2人が敵をやっつけて…かと思ったら、何とマックリーは弾を3発も撃ち込まれ、誇りとともに死んでいくのだ。まるでペキンパーが、スコットとマックリーという西部劇のスターに、あるいは老いて去っていくガンマンに贈った鎮魂歌のようでもある。

 ペキンパーは、この映画や『砂漠の流れ者』(70)『ジュニア・ボナー』(72)のような優しさや情感にあふれた映画を撮った半面、『ワイルドバンチ』(69)『わらの犬』(71)『ゲッタウェイ』(72)など、激しいバイオレンス描写も得意とした。そこに彼の二面性が表れていると言ったら、うがち過ぎかな。

 ウォーレン・オーツ、L・Q・ジョーンズ、ジョン・デイビス・チャンドラー、R・G・アームストロングといった、いわゆる“ペキンパー一家”と呼ばれる連中の若き日の姿が見られたのも楽しかった。

『サム・ペキンパー 情熱と美学』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/96a0cab264ba3d53e14786426865d915
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“これぞ高倉健”というイメージを作り上げた降旗康男

2019-05-27 09:26:34 | 映画いろいろ

 降旗康男監督が亡くなった。降旗監督といえば、やはり高倉健とのコンビ作が思い出される。健さんの映画人生後半の“これぞ高倉健”というイメージは、2人の見事な共同作業によって作られたものだと思う。

『任侠映画のスターたち』(2015) 健さんの新たな足跡

 

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『映画の森』「2019年5月の映画」

2019-05-27 07:12:51 | 映画の森
共同通信社が発行する週刊誌『Kyoudo Weekly』(共同ウイークリー)5月27日号で、『映画の森』と題したコラムページに「5月の映画」として5本を紹介。独断と偏見による五つ星満点で評価した。

完結編にふさわしい内容『アベンジャーズ エンドゲーム』☆☆☆☆
結婚50年の老夫婦の行く末は…『「初恋 お父さん、チビがいなくなりました」』☆☆☆
実際の犯人たちが劇中に登場『アメリカン・アニマルズ』☆☆☆
ミュージカルとゾンビが融合『アナと世界の終わり』 ☆☆
認知症の父と家族との7年間『長いお別れ』☆☆☆

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