田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

【ほぼ週刊映画コラム】『アメリカン・アニマルズ』

2019-05-18 17:33:01 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

ドキュメンタリーと劇映画を融合させた
『アメリカン・アニマルズ』



詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1189097


【インタビュー】『アメリカン・アニマルズ』バート・レイトン監督
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1188683
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『暗くなるまでこの恋を』『ポワゾン』

2019-05-18 11:05:29 | 映画いろいろ
『暗くなるまでこの恋を』(69)(1989.9.)



 フランスの植民地の島で、たばこ工場を営むマエ(ジャン・ポール・ベルモンド)が写真見合いをする。ところが実際に現れたのは、写真とは全く違う美女(カトリーヌ・ドヌーブ)だった。マエはその女と結婚するが、彼女はマエの預金を引き出して姿を消してしまう。フランソワ・トリュフォー監督。原作はウィリアム・アイリッシュ。

 10数年ぶりの再見。以前見た時は、トリュフォーのヒッチコックへの傾倒ぶりを知らず、この映画のルーツとも言うべき『めまい』(58)を見たこともなかったので、当時『アメリカの夜』(73)『思春期』(76)といった傑作を撮っていたトリュフォーが、それ以前は、随分と詰まらない映画を撮っていたんだなあと単純に思ったものだった。

 ところが『めまい』を見た後で、改めてこの映画を見直すと、不出来という印象が変わったわけではないが、『めまい』同様に、一人の女が前半と後半とでイメージを変える二重構造、ドヌーブのブロンドヘアを映すのに、『めまい』のキム・ノバクを意識したようなカメラアングルを使っているのが分かったりして、何だかひたすらヒッチコックに憧れるトリュフォーがかわいらしく思えるようなところがあった。

『ポワゾン』(01)(2005.12.16.)



 テレ東「木曜洋画劇場」で『ポワゾン』を。いわゆる毒婦ってやつですわ。舞台は19世紀のサンチャゴ。裕福な事業家のもとに、写真とは別人の花嫁が来るって、これはひょっとしてトリュフォーの『暗くなるまでこの恋を』(69)のリメークか? と思ったら、クレジットで原作コーネル・ウールリッチ=ウィリアム・アイリッシュ(『暗闇へのワルツ』)と出た。やっぱりそうか。まったくノーマークの映画だったのでちょっとびっくり。

 それにしてもアントニオ・バンデラスとアンジェリーナ・ジョリーの組み合わせとはなんとも濃い。おかげで妙な話に変わってしまっていた。『暗くなるまでこの恋を』も決して傑作ではなかったけれど、ここまでやられるとジャン・ポール・ベルモンドとカトリーヌ・ドヌーブのコンビがとても良かったように思えてしまう。
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『隣の女』

2019-05-18 06:50:46 | 映画いろいろ
『隣の女』(81)(1988.1.17.)



 主人公の男(ジェラール・ドパルデュー)の隣の家に、偶然、昔の恋人(ファニー・アルダン)夫婦が引っ越してきたことから起こる悲劇の物語。ラストシーンのセリフ「一緒では苦しすぎるが、一人では生きていけない」がキャッチコピーになった。監督はフランソワ・トリュフォー。

 トリュフォーの遺作となった『日曜日が待ち遠しい』(83)を見た時は、何と楽しく愛すべき映画なのだろうと感嘆したのだが、先に作られたこの映画からは、ひたすら悲痛で苦い印象を受けた。どちらもアルダンが主演しているだけに、その極端なまでの陰陽の違いに彼の二面性が表れている気がする。

言い換えれば、この映画はトリュフォーが抱えていた男女の愛を信じたいのに信じ切れないジレンマや、この時期のアルダンに対する自身の気持ちの揺れを代弁していたのかもしれないとも思うのだ。

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