『夕陽の群盗』(72)
南北戦争末期、北軍の徴兵を逃れたドリュー(バリー・ブラウン)がジェイク(ジェフ・ブリッジス)ら、“悪い仲間”(=原題)と知り合い、悪党になって行く様子を描いたニューシネマ西部劇。
『俺たちに明日はない』(67)の脚本コンビ、ロバート・ベントンとデビッド・ニューマンが脚本を書き、ベントンの監督デビュー作となった。『俺たち~』同様、過去を描きながら現代の若者の閉塞感にもつながるようなストーリー展開に加えて、光と影を対比させたゴードン・ウィリスの撮影が素晴らしい。
徴兵逃れという設定はベトナム戦争の影響を感じさせるし、若者が銃を通して現実の醜さを知るという点では、同時期に作られた『男の出発』(72)と重なる部分もあり、西部劇とはいえ、70年代初頭の空気を色濃く反映したものになっている。脇役のジェフリー・ルイスはその両方に出ているが、70年代の映画には「あいつ、また出てる」という“脇役天国”みたいなことがよくあったのだ。
All About おすすめ映画『男の出発(たびだち)』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/3597da794cada8f327c66ca0c59f724d
『逃走迷路』(42)(1987.5.23.)
航空機製造会社で働くケイン(ロバート・カミングス)は、軍需工場への破壊工作(原題=サボタージュ)の濡れ衣を着せられる。ケインと彼の無実を信じる若い娘の逃走劇を描いたサスペンス映画。監督はアルフレッド・ヒッチコック。1979年に初公開された。
ヒッチコック・サスペンスの得意パターンの一つに、一般市民巻き込まれ型があるが、この映画などはその典型的なものだろう。また、この映画には、主人公が犯人と間違われて逃走する展開、ラストの自由の女神像上でのアクションなど、後の『北北西に進路を取れ』(59)のルーツとも呼ぶべきシーンやシチュエーションが多分に見受けられる。(『北北西~』はラシュモア山だが)
だからヒッチコックは『暗殺者の家』(34)を『知りすぎていた男』(56)としてリメークしたように、戦時下の束縛の中で、本意ではない俳優を使って撮ったというこの映画に満足できず、後に『北北西~』という形でリメークしたのではないか、などと勝手に思ってしまった。
航空機製造会社で働くケイン(ロバート・カミングス)は、軍需工場への破壊工作(原題=サボタージュ)の濡れ衣を着せられる。ケインと彼の無実を信じる若い娘の逃走劇を描いたサスペンス映画。監督はアルフレッド・ヒッチコック。1979年に初公開された。
ヒッチコック・サスペンスの得意パターンの一つに、一般市民巻き込まれ型があるが、この映画などはその典型的なものだろう。また、この映画には、主人公が犯人と間違われて逃走する展開、ラストの自由の女神像上でのアクションなど、後の『北北西に進路を取れ』(59)のルーツとも呼ぶべきシーンやシチュエーションが多分に見受けられる。(『北北西~』はラシュモア山だが)
だからヒッチコックは『暗殺者の家』(34)を『知りすぎていた男』(56)としてリメークしたように、戦時下の束縛の中で、本意ではない俳優を使って撮ったというこの映画に満足できず、後に『北北西~』という形でリメークしたのではないか、などと勝手に思ってしまった。