今年も残り少なく、何かと気ぜわしい時季になった。この時季になると、どんな賀状にするか思案されている方も多いだろ。
毛筆や版画など長年続けてきた思いをこめた作り方もあるが、最近はパソコンで作った賀状も多い。そこには「手作りの温かさがない」と言われるが、本当にそうだろうか。
パソコン教室へ来られる皆さんは、既存のソフトから1歩踏み出し、「自分流の賀状」を作りたいと挑戦される。作り方は違っても「賀状への熱い思い入れ」に変わりはない。
家族や孫、旅行の写真を載せて近況をしらせたいー。若い人から80歳を超える方まで、同じ思いでマウスを動かす。そのうち一人一人の個性が画面に表れる。周りの人も含めて喜びの声がわく。添え書きする空白に、どんな言葉が忍ばされるのか、と思いながら小さな修正を手伝う。
不況のうちに迎えた師走。パソコンで初めて作る1枚の賀状に、新しい年への思いを託す。受け取られた方はきっと驚きながらも喜ばれる、そう信じながら次の講座の準備を始める。受講者からの賀状が届くことも少し期待しながら。
2008年12月12日 中国新聞「広場」掲載
(写真:出番を待っている年賀はがき)