一晩続いた雨は夜明け前から弱い雨に変わった。冬の雨だけどここ数日に比べれば温かい。このような日和にはよく霧が発生する。住まいの近くでは錦帯橋の屏風になる城山にたちこめる霧は絵になる。
霧は「地表付近の大気に浮遊する煙のような微細な水滴の集まり。気象用語では視程が1km以下のときをいう。本質的には雲と同じで、違いは下底が地表に達していること」と解説してある。
霧について怖い経験がある。遠出した帰り、遅い時間に長い坂道上り終え下り差しかかったときライトに照らさた真白な何かなが目に入った。視界はゼロに近い。ブレーキを踏み、それが霧と気付くのにひと呼吸かかった。長い下り坂、感を頼りに走ったことがある。雲海の中を走った、家の灯りが見えたときそう思った。
霧は動く。山全体を包む、城を霞ませる、山の中腹を舞いながら流れるなどひと時も動きを止めない。遠くからの眺めは単調そうに見るが少し近寄るとどうしてどうして、音は聞こえないが争いがあるよかのように活動している。
霧を眺めるのはいいが巻き込まれると怖い。方角が見当もつかなくなる。霞ヶ関や永田町にかかっている霧は早く晴らさねばならない。自然の霧は急に襲って視界を奪うが晴れるのも早いと言う。世論という風が荒れないうちに自浄作用を働かせて欲しい。
(写真:今朝の岩国城と霧の様子)