
吉香公園の日本庭園そばの掘に咲いている黄色い花に気付いたのは数年前。睡蓮の葉に似たそれが浮かぶなかにひっそりと咲いているようにみえた。その時は名前を知らなかったが、緑濃いなかで黄色が目についた。花の名は「こうほね」と後で知った。
小川や湖沼などに生え、根茎は白く泥中に横たわる。それはゴツゴツした骨のように見えるところから河骨(かわほね)と書かれるようになった。「かわほね」から「こうほね」に変化した、とある。睡蓮科とあるがあのあでやかさはどこにもない。
毎年、2~3本の花数しか見かけないが、葉の数からして盛りにはもっと咲くのかもしれない。花期は6月から9月ころというから、これから見ごろを迎える。遠くて花の内側は見えないがどんな姿をしているのだろう。
こうほねの根茎は漢方薬としてよく用いられ、その効能は止血剤や浄血剤、強壮剤に使われ「川骨(せんこつ)」という名で出ているそうだ。これから水の季節。睡蓮のように育て鑑賞する人もあるとか。暑さしのぎが大きな課題の今夏、涼しさに一役かってくれると助かるが。
(写真:公園の掘りにさ咲いていた河骨のはな)