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「葉や材の精油から樟脳がとれる 病害虫に強く長寿 常緑大高木」。これは吉香公園ある巨大なクスノキに取り付けられた説明。樹齢や高さなどが分かるとさらに親しみがわくかもしれない。
その説明にクスノキとして「樟」の字が並んでいる。クスノキは「楠」と思いこんでいたのに書かれていない。辞書を開くと両方がただしいようだ。高さは20メートル以上にもなるとある。
樟脳といえば我が家では和洋の箪笥に入っている。防虫防臭に効果のあることは子どものころから知っていた、というか見覚えに残っている。あのにおいはそんな効果を感じさせる。その微妙な成分がこれほどの巨木から得られるとは意外で驚きだった。
5月から6月にかけて、白く淡い黄緑色の小さな花が咲き、10月から11月にかけて、直径7~8ミリ程度の青緑色で球形の果実が紫黒色に熟すという。鳥が食べて種子散布に与るが、人間の食用には適さない。次のシーズンから気をつけて見てみよう。
このクスノキの下から眺める大噴水は涼をくれる。しぶきは心地よい。以前はベンチがあったが、先日は気付かなかった。このクスノキの陰は天然のエコが満ちている。
(写真:堂々とした姿に威厳を感じる)