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日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

友に聞く畑作りの心

2011年06月16日 | エッセイサロン
2011年06月16日 中国新聞「広場」掲載 

 運動不足解消にと、少し速足で畑が続く川沿いの道を歩いていた。「よ―い」と声がして麦わら帽子をかぶった人が手招きしている。野菜作りが趣味の同級生だ。

 自慢の畑を説明してくれる。10 種類以上の野菜が色濃く育っている。 見慣れた野菜に交じって、初めて目にするものもある。それぞれの野菜作りで工夫したことや思い入れを開く。

 時にはせっかく育てているものを抜いたり、もぎ取ったりしながら、その育ち具合を具体的に話してくれる。

 そんな畑の隅に、苗を植えた小さなポットがたくさんある。収穫を終えた後の畑に植える苗を育てているという。畑は休む間がないのだと知る。

 その畑はよく肥えた黒い土で、押さえるとふわっとして作物に優しそうだ。土は生きていると感した。

 これまで、この畑で育った野菜を何度も届けてもらっているが、畑を見るのは初めてだ。ひと回りしたところで、みずみずしい葉物などを2袋に詰め、持たせてくれた。

 妻は思わぬ収穫を喜ぶ。作る人の野菜への思いやりを知った。いい梅雨の晴れ間だった。
コメント (10)
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