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世界でも貴重な固有の動植物が生息する「小笠原諸島」について、ユネスコの世界遺産委員会は、6月24日、世界遺産に登録することを決めた」。これで日本国内の世界遺産は合わせて15件、自然遺産としては4件目となった。関係者のご苦労が実り歓迎と喜びの声が聞かれた。
喜びに続きに「これからの自然保護、保全」という大きな課題を背負うことになる。関係者には新しい苦労が課せられる。自然派の知人が「残すべき自然は多くの人に知られない方がいい。人の足が入るとそこは必ず変わる」と話してくれたことを思い出す。観光客誘致と自然保護、両立させる英知を期待したい。
そんな大それたことではないが、公園の片隅でみた盗掘。盗掘といえばオーバーだが、根こそぎ盗み去った跡を見つけた。スコップを使ったのだろう、周囲には根についた土を落とした様子もない。見事な盗り方だ。
たかがひと株、と思うかも知れないが、公園にあるものを持ち帰ることは金額の多少ではない。手慣れた盗り方から子どものらの遊びではない。世界遺産となった自然を残し守るのも、小さな公園の草木を育てるのも、そこに差はない。
掘り盗られた大きな穴を埋めるものは、新しい土を運んでくるしかない。その土がその地になじむには長い年月がかかる。小さな自然でも残していこう。
(写真:何かを持ち去ったあとの穴)