
昨年、採種した種から育てている朝顔、日に日にツルの数が増えぐんぐんと伸びていく。合わせて葉も茂り始め、育ち具合がよくわかる。時期的に雨にもたっぷりと恵まれ水やりの手間もいらない。長年やっている我流の植え方育て方で特別な工夫などしていない。
ネットに巻き付きそこねた1本のツルに手を貸した。その先端を手にした時、日に照らされた短いが真っ白い産毛に気付いた。綺麗だから撮っておこうとレンズ向けた。
レンズ越しにアップして見えたその先端の「獰猛なつら」に驚いた。それは思いもしなかった顔つきだった。考えてみれば無理もない、そうなのだ、と納得した。獰猛(どうもう)とは「性質が荒く乱暴であること。または、そのさま」と辞書にある。
これから秋までの長い期間、1日も休まず花を咲かせ、猛暑を乗り切らなければならない生き物の覚悟、成長のリーダとして伸びていくツルの先端にそれを感じた。外見は優しそうだが、そこだけ見ると万難を排して引っ張っていく、受け継いできた芯に秘めた力を感じる。
朝顔は特別なことをしなくても、毎朝咲いてくれる。そして楽しませてくれる。難しい花のように消毒もいらない。そんなことから育てやすいと思っている。本当は立派なリーダーが先頭で引っ張っているのだ、と見直した。世論調査に見る内閣不支持の1番の理由は「リーダーシップが足りない」という。朝顔から学ぶことが在るかも知れない。
(写真:根性丸出しで伸びていく朝顔の先端)