AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

続・秋元康の才能は枯渇しているのか?「曲ストック方式」の功罪。(ときめき研究家)

2014-03-09 18:41:04 | ときめき研究家
1年前に「秋元康の才能は枯渇しているのか?」という記事を書いた。

秋元康が劇場公演の新セットリストを全然書けない理由を考察した記事で、その時は「才能は枯渇していない。最近の曲にはいい曲もあれば駄曲もあるが、その打率が落ちているとは思わない。要は単に忙しすぎるのだ。シングルのカップリング曲を減らして、その時間で劇場公演曲を書いてほしい。」という結論だった。

それからの1年間で、チームNの『ここにだって天使はいる』公演1つだけが始まった。次の新公演の開始予定は立っていない。意図的に遅らせてじらすという戦略もあろうが、もう充分にじらされている。いくら何でも遅らせ過ぎだろう。そして、シングルのカップリング曲は減っていない。

「世界観を守りたい」と頑なに自分でほぼ全曲の作詞を続けている秋元康のプロ意識には、敬意を表する。おニャン子クラブの時でも、ソロデビュー組の一部の楽曲は他の作詞家に委ねていたが、AKBグループではとことん自作詞にこだわって来た。
しかし、新公演の楽曲がなかなか出来ないということは、創作意欲が落ちているのか、落ちていないとすれば1人の人間の生産性の限界を超えているのかのいずれかだろう。

一方、1年前は落ちていないと思った作品のクオリティーにも疑義を感じている。アルバム『次の足跡』収録の新曲を散々聴いたが、年間ベスト10に入れたいような曲は遂に現れなかった。
1つ前のアルバム『1830m』には、『アボガドじゃね~し』『やさしさの地図』があった。その1つ前のアルバム『ここにいたこと』には、『君と僕の関係』『High school days』があった。それに匹敵するくらい気に入った曲が、最新アルバムにはなかった。
これは今回たまたま私の好みの曲がなかっただけなのか、それとも秋元康の才能がいよいよ枯渇したのか、改めてあれこれ考えた。

過去に色々な所で本人が語っていたと思うが、AKBグループ用の曲のストックは何百曲もあり、シングル曲にしろアルバム曲にしろ、その中から秋元康が都度選んで詞をつけるのだと言う。これは、効率よく沢山の楽曲を創って行くための工夫でもあり、バリエーションを確保する効果もあるのだろう。
それを読んだ時から違和感を持っていた。そんなに膨大な曲のストックを把握できるものなのか。その都度候補の曲を聴き比べるだけでも、相当の時間がかかるはずだが、本当にそんなことをやっているのか。

シンガーソングライターは、自分で歌いたい曲と詞を自分で作る。
職業作詞家と職業作曲家は、歌手に歌わせたい曲を協力して作る。
どちらが優れているということはない。職業作詞家と職業作曲家の作品であっても、詞と曲が完全にシンクロした美しい楽曲というものは確かにある。むしろ異なる才能の化学反応により、各々の才能を超えた創造がなされることもある。別々の人間が、別々のプロセスで創ったはずなのに、まるで同時にこの世に産み出されたかのように思える奇跡が起きるのだ。

地方アイドルの、例えば『ラリリルレ』や『HAPPYで埋めつくすカレンダー』といった名曲には、詞と曲と歌手が一体となって迫って来る迫力がある。「この1曲」を創り上げようと、複数のスタッフが和気藹々、喧々諤々、切磋琢磨、七転八倒して創った「熱」「臨場感」が感じられる。
AKBグループの楽曲も、最初はそうやって創られていたはずだ。しかし、アルバム『次の足跡』にはそれが感じられなかった。

先に述べたようなストック方式によるAKBグループの楽曲創りでは、一方的に作詞家秋元康に主導権がある。
織田哲郎や井上ヨシマサといった大御所は別だろうが、若い作曲家たちは、せっせと曲を作って、まず数百曲のストックの中に入れてもらうように努力する。その後は、秋元先生の耳に留まればラッキー、巨額の印税が約束される。しかし何年もストックの中に埋没して陽の目を見ない曲も数知れない。
そこには作曲家と作詞家の対等な関係、相互作用、緊張感といったものはないだろう。
例えは悪いが、飾り窓に並んでいる娼婦と、そこから好みの1人を選んで一夜を過ごす男のような関係だ。

このブログでも時々指摘する不自然な歌詞、無理やり当てはめた歌詞も、ストック方式の弊害とも考えられる。
例えば「そのくちびー」(『ハート・エレキ』)、「股裂きに」(『キスまでカウントダウン』)、「切ないジュース」(『メロンジュース』)などだ。
普通なら、作詞家が作曲家に、どうしてもこの歌詞を使いたいから音符を増やしてとか、抑揚を変えてとか注文をつけたり、逆に作曲家の方から詞の代案を示したり、お互い話し合ってよりよい策を考えるのではないか。しかし、ストック方式ではそんなプロセスはないのだと思う。

そもそもその曲はいつ作られた曲かも知れないし、作曲家の方も創作時の熱はすっかり醒めているはずだ。
このような創り方では、「まるで同時にこの世に産み出されたかのよう」な奇跡は起きにくいのではないか。
それでも稀に『恋するフォーチュンクッキー』や『清純フィロソフィー』のような奇跡的な作品が産み出されてしまうから、秋元康は天才なのかもしれないが。

AKBグループの楽曲の中でも、秋元康作詞以外の曲は稀にある。私の知る限りでは、渡り廊下走り隊の『ギュ!』『手のひら』『ゴメンナサイ』の3曲がカシアス島田作詞、AKB48『永遠より続くように』(『永遠プレッシャー』カップリング曲)が岡田寿也作詞(作曲も岡田)である。この4曲とも作詞・作曲がマッチした素晴らしい楽曲だと思う。もちろん、ストック方式ではないはずだ。
4曲全て名曲という高打率は、秋元康以外の作詞家を本格的に起用することで、現状の閉塞感を打破できる可能性を示唆している。

効率的な曲作りのためのストック方式でも追いつかないのは「量」の限界であり、『次の足跡』で「打率」が下がっているのはストック方式の「質」の弊害の可能性もある。このことは、全曲秋元康作詞という方針の限界も示唆しているのではないか。
折しも、AKBグループのシングル発売ラッシュの最中だ。私も『次の足跡』を離れて、シングルを聴き始めよう。案外そこには名曲がゴロゴロしているかもしれないと仄かに期待して。



(これより1年前の記事再掲)

秋元康が劇場公演のセットリストを全然書けない理由を、ナッキーさんが色々と推察している
私は、単に物理的な問題だと思う。忙しすぎるのだ。
シングルCDを1枚出すのに、4種類作製し、そのために6曲作詞しなければならないというのは悪しき慣例だ。A面B面の2曲にすれば、残りの4曲は劇場公演曲を書く時間に回せる。シングルCD4枚分で劇場公演セットリスト1つ分16曲を書ける計算になる。去年1年で、AKB、SKE、NMBのシングルが10枚、ソロ・ユニットでも10枚くらい出ているから、それだけで5公演書けているはずだ。もっとも、その場合シングルCDはミリオンセラーにはならなかっただろうが。

才能が枯渇した、書きたいことを全部書いてしまって飽きてしまったというのは違うと思う。
元々アイドルの曲のテーマはほぼ出つくしていて、それに少しずつ変化をつけながら、繰り返し繰り返し歌っているのだと思う。AKBグループでも、「運命の恋愛」「片想い礼賛」「自転車通学の初恋」「卒業」「切ない別れ」「青春のじたばた」「AKB自己言及」「夜の街徘徊」「社会批判」「初夏の衣替えとプール掃除」といったテーマを何度も歌っている。秋元康ワードと言うべき、お気に入りの語彙も多用されている。
同じテーマでも、何かしら新しい要素が入っていればOKだし、何より曲(作曲・編曲)が異なっていれば印象も全く違う。

もちろん沢山の曲の中には、出来のいい曲もあれば、駄曲もある。それも絶対的なものではなく、人によって好みも違うだろう。秋元康の作品も例外ではなく、玉石混交ではあるが、以前より「石」の割合が増えて来ているとは思わない。
最近でも、『君の名は希望』『スキ!スキ!スキップ!』『片想いの唐揚げ』『初恋バタフライ』『アボガドじゃね~し』『姉妹どんぶり』『へそが曲がる』『寡黙な月』のような傑作も生んでいる。

AKB48を10年でやめるつもりというのも、次々と姉妹グループを作り、今も研究生を採用している現状では、もはや許されない発想だ。企業が社会の公器となるように、多くの人々の人生を巻き込んでいるAKBグループは、創業者の一存だけではやめることなどできない。
やめたいのなら、自分が手を離し、別の人に委ねるという選択肢になろう。
AKBグループは、100年続いている宝塚歌劇団のような芸能集団を目指すべきだ。

こうした諸々の憶測、批判を打ち消すように、次々に新しい公演セットリストの発表を期待する。

(再掲終わり)

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石田優美さんのモバイルメールに返信(KC)

2014-03-09 07:11:35 | SKE48/NMB48/HKT48
石田優美さんのモバイルメールに返信(KC)

優美さん
メール読みました。「アイドルになりたい」という優美さんの気持ちが、ひしひしと伝わってきます。
ママのアドバイスも素敵。
でも、昇格が遅れたからといって、こだわることはないと思う。
昇格は一つの目標だけど、アイドルがより大きな目標。

優美さんは、すでにアイドルです。
アイドルファンは、応援するアイドルがアイドルらしければ、応援を続けます。逆に、アイドルらしくなくなれば、応援をやめてしまう。
AKBグループで頻発に起こっていることは、研究生としてアイドルらしかったメンバーが、昇格してからアイドルらしさを失ってしまうこと。

KCは、優美さんに昇格して欲しいですが、
優美さんがアイドルらしさを磨いてくれることを、昇格より望んでいます。
アイドルらしい優美さんを見続けたいし、応援したい。
今はこれができている。
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恋するフォーチュンクッキー ふくしまから はじめよう。Ver. (ナッキーからの宣伝)

2014-03-09 00:00:05 | AKB48

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