AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

SKE48『コケティッシュ渋滞中』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2015-05-15 21:26:41 | ときめき研究家
3月31日に同時発売された両グループのCDを聴き比べている。販売枚数ではSKE48に軍配が上がったようだが、カップリング曲も含めた楽曲の出来栄えはいい勝負だ。まずSKE48から。

SKE48『コケティッシュ渋滞中』。
SKE48らしい、他愛のない歌詞をアップテンポに踊りながら歌う曲だ。
『賛成、カワイイ』や『12月のカンガルー』といい、『コケティッシュ渋滞中』といい、歌詞の空疎さは際立っている。これはこれでグループの特色になって来た感がある。
「コケティッシュ」という形容詞がこの曲の眼目だろう。
この言葉が古今のアイドルポップのタイトルに使われたことはないのではないか。(太田裕美のアルバムタイトルに『こけてぃっしゅ』というのがあったが。)歌詞の中で使われたことはたぶんあるだろうが、私は覚えがない。「色っぽい」「セクシー」などという似た意味合いの言葉は頻用されているが、それらに比べ聴き慣れない言葉ゆえに新鮮だ。
その取っておきのワードで聴き手の心を掴んでいるのに、「キュートだね」という歌詞はいただけない。形容詞は「コケティッシュ」一本で勝負してほしかった。そもそも「コケティッシュ」は大人の色気というイメージ、「キュート」は若い娘の可愛らしさというイメージで、ちょっと違うのではないか。非常にもったいない。
街を歩けば彼女の姿に人々が見とれるという状況は、ハウンドドッグ『浮気なパレットキャット』や倉田まり子『JUNE浪漫』などでも歌われた状況だ。
急に色っぽくなった幼馴染に、今さら告白できないというのは『鈴懸なんちゃら』『ラブラドール・レトリバー』とも似た状況。
いわば定番の状況をひとひねりして1曲作り上げる職人技はさすがに上手い。

『音を消したテレビ』。(チームE)
カップリングで最も気に入った曲。
一人暮らしの女性が、疲れて夜に部屋に帰り、ひとしきり泣いて、風呂に入り、そして眠るという一夜を描いた曲。特別な出来事は起きないが、彼女の寂しさを共有できるような気がする。
一晩眠れば忘れられるような些細な悩みやもやもやだけど、だからと言ってそれが切実でないわけではない。我々の悩みのほとんどはそういうものだ。アイドルの楽曲の題材としては珍しいテーマを歌い、共感を得ることに成功している。
夜の間は「つまらないドラマ」を音を消してつけている彼女が、朝になれば音を出してニュースを見る。その行為が彼女の心象を象徴している。巧みなレトリックだ。
今までにありそうでなかったテーマだ。NMB48の『12月31日』は一人暮らしの部屋という舞台は同じだが、曲のテーマが全く異なっている。
ビッグバンドジャズ風のサウンドが心地よい。

『桜覚えていてくれ』。
佐藤実絵子、中西優香、古川愛李の卒業ソングなのだろう。
しみじみとこれまでのことを振り返る歌詞は、心に滲みる。SKE48への貢献も大きいメンバーで、円満な卒業であることから、力の入った卒業ソングを与えられた。「初めて出逢った時からずっと青空だった 晴れの日ばかりじゃないのになぜか雨なんて覚えてない」という歌い出しが秀逸だ。それだけで全てを言い尽しているようだ。
グループのことを桜の木に例えているのは『桜の木になろう』と共通する表現だ。
グループに対する3人の愛情と、グループメンバーやグループスタッフの3人に対する労いの気持ちまでもがひしひしと感じられるような曲だ。
3人の声が聴き分けられればもっと感慨が深いのだろうが、そこまでの知識がないことが残念だ。
しかし『この日のチャイムを忘れない』の一人ひとりのミュージックビデオでの、3人の姿とパフォーマンスは思い出すことができる。佐藤は『ごめんねサマー』を横浜ロケで、中西は『ロープの友情』をパラパラ漫画で、古川は『バンジー宣言』を実写とアニメの融合で演じていた。それももう2年前。時は流れてゆく。誰も立ち止まることはできない。でも覚えておこう。

『僕は知っている』。
この曲はSKE48版の『君のことが好きだから』である。
ファン視点でメンバー達の頑張りを応援しているという風に解釈できる歌詞だ。曲調もアップテンポで、間奏でエレキギターが歌うところも『君のことが好きだから』に似ている。
こうした曲は盛り上がるし、ファンとメンバーの一体感が出る。
「その先を走っている先輩の背中はすぐそこに見えている」とはAKB48のことだろう。このレトリックはAKBチームBの『僕の桜』で、チームA、Kを「先を走る先輩よ 後ろ姿見送った」と歌ったのと同じだ。
HKT48なら『君のことが好きやけん』、NMB48だと『青春のラップタイム』だろうか。そうした曲になるのかどうかは、SKE48ファンがこの曲を気に入るのかどうかにかかっている。

『今夜はJoin us!』。(チームKⅡ)
ママのドレスを借りてパーティーに出かけるというありがちな状況の歌。最初は気後れしているが、彼に誘われ楽しいひとときを過ごすというハッピーな歌。
古いアメリカのポップス調だが、少し複雑なノリなのは、こういうのを「モータウン」というのだろうか。

『DIRTY』。(チームS)
重苦しい歌。現実を「汚れている」と否定している。しかし、否定するだけでなく、その汚れた現実を綺麗に洗い上げたいと歌う。その発想は面白いが、いかんせん曲調が暗すぎる。「DIRTY  DIRTY  DIRTY  DIRTY」と連呼するサビを聴くと、気分が滅入って来てしまう。

『夜の教科書』は配信されておらず、未聴である。
コメント (1)
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