キスマユでは相互に宣戦布告し,Aweysはこれへの言及を避ける―「聖戦を宣した」というからどっきりしたが,現時点(9月30日)ではAweysは「不和disputeは解決されるであろう」と,やや他人事のようにコメント―
あるいは,事態の帰結は,おおよそ予測の範囲内に収まるであろうと考えつつも,様々なオプションがとれるようにしているものか。Hizbul Islamの大兵力注入は,少なくとも悪くとも彼の黙認の下に行われたものでしょうし(でないとすれば,Aweysの政治的影響力が極めて低下しているということになる),武装トラックを10台単位で叩き込むとは,ソマリア基準では圧倒的戦力による大決戦を意味するでしょうから。
Garowe Online Islamist rebels in Somalia declare war on each other Sep 30, 2009 - 1:38:56 PM
アルシャバブ・ヒズブル・イスラムは木曜,別個に記者会見を開いて相互に宣戦布告。キスマユのアルシャバブ広報担当者Sheikh Hassan Yakubは,アルシャバブは外来勢力から「キスマユを防衛するであろう」とする。「我々はキスマユの民衆に,彼らのここ一年の政府を護るよう求める―Hizbul Islamの一部をなす,Sheikh Ahmed Madobeの攻撃から」。彼は(アルシャバブ公式の)al-Andulusラジオを通じて述べる。
彼がいわく,「もろもろの犯罪が帰ってきたのだ」,アルシャバブの一年間の平和的統治の間,キスマユの住民はリラックスできたものだが,いまや「殺人や,女が衣服を脱ぎ去るような」犯罪が戻ってきたのだ!
他方Hizbul Islamの広報Sheikh Ismail Haji Addowがモガディシュで言うよう,ヒズブル・イスラムの戦士は「キスマユを防衛するであろう」,もしもキスマユで戦闘が始まるなら「ソマリア中で戦を」起こすと述べる。
「もしも銃撃戦(銃弾たち,bullets)がキスマユで始まろうものなら,全国を揺るがすであろう。銃撃は何処でも起こるであろう,我々の戦士がいるところでなら―我々はアルシャバブの権力なるものに反対するのだ」。「我々は,我々統治下の地域で権力を主張する如何なるグループをも許容しないであろう」。
またSheikh Addowは,アルシャバブ指導者連はヒズブル・イスラム構成員に「アルシャバブに入れ,ソマリア政府に,あるいは民間人の一員となれ」と呼び掛けているとし,「ヒズブル・イスラムは実力ある一個の組織体だ。我々は決して他の組織に武器を引き渡しはしないし―さもなくばただ[恐らく,この世を]去るのみだ」。
キスマユでは武器が山と積まれ,木曜には店は閉まってしまった。さてもしアルシャバブがヒズブル・イスラムと戦闘にはいるとすると―彼らは政府軍,AMISOM,Ahlu Sunnahと,ソマリアの主要な諸組織すべてと戦闘にはいることになる。
他方Aweysは新たな聖戦newjihadを宣言する―彼の嘗ての同盟者Sheikh Sharifが率いる暫定政府に対しての。しかしキスマユにおけるアルシャバブとヒズブル・イスラムとの間の亀裂についてはコメントを避ける。
彼は水曜,モガディシュ南郊Elasha Biyahaで語る―2007年以降,避難民居住キャンプが都市に発展した場所で。この地はLafoleと名付けられ,ヒズブル・イスラムによって統治されることになる!
「AMISOMと戦うことであれば,これは我々の義務なのだ。というのも,彼らは我々の国を侵す敵なのだから」。キスマユの問題はどうです,と報道陣に問われれば,彼は「諍いは解決するであろう」というに留める。
以上,概ね全面的翻訳+解説。…以上の記事は,基本,昨晩ShabelleMediaNetworkが報じた内容と変わりません。ですが,こっちの文章の方がはるかに読みやすいです。bulletが単数(S.M.N.)か,複数(GaroweOnline)かも違っている点が注意できます。S.M.N.の単数の場合,キスマユでものっそ切羽詰ってる感がありますが,GaroweOnlineの訳の場合,全国的・全面的戦争を口にして威嚇していることになりますか。
Hizbul IslamはSheikh AweysとSheikh Hassan "Turki" Abdullahiとの,長年のイスラミスト指導者たちに率いられるものである,と記事中に説明されます。AweysはTurkiの(Madobeの)勝利を期待し,予期しているでしょう。アルシャバブはしばしば彼に煮え湯を飲ませており,とりわけ明確な反意を示したキスマユの場合,そうそう容赦するとは思えません。
それでもキスマユ・アルシャバブが圧倒されず,互角といえるほどねばった場合,アルシャバブを懐柔し,再度反政府闘争の戦列に戻す方策が考えられねばなりません。反政府側最高級指導者として,キスマユ・アルシャバブを単に敵と断じることは避けるべきです―それはアルシャバブの轍を踏む行為です。
Alshahid Islamist Insurgents on the verge to fight in Kismayo 30 September, 2009
これも戦闘直前の情勢を伝える記事。真面目に訳して紹介しようかと思いましたら,戦闘が既に派手に展開してしまっているようで:
Garowe Online Somalia: Islamist rivals fight in Kismayo, 25 killed Oct 1, 2009 - 1:42:58 PM
木曜朝7時から戦闘状態にはいる。死亡者は少なくとも25名と言われ,しかもその多くが戦闘員であるという―巻き添えの民間人の方が多いのが通例のソマリアの戦闘にしては珍しく,この激しさはアルシャバブ+ヒズブル・イスラム vs Ahlu Sunnahのときのようです!
但し,10名は戦闘の町から逃れようとして事故で横転した車両に乗っていた者で,民間人であるという。
少なくとも8名がキスマユ近郊で死亡し,うち4人は一家族に属するものであるという。
アルシャバブは自派所有のラジオ局Al-Andulusを通じて,ヒズブル・イスラムの戦闘員たちが投降したとするそうです。
午後一時にはアルシャバブ戦闘員が町役場,警察署,中央監獄と空港を支配していたとのこと。―つまり,この時点でアルシャバブは負けていない(警察署は最初から彼らの支配領域だったはず)。他方ヒズブル・イスラムは市北部の港湾施設を確保。なお港湾地域では戦闘の報告がないという。つまりアルシャバブはキスマユの(民間活動・商業・税収の)心臓に手を着けてはいない。
なお,未確認情報として,モガディシュからキスマユめざしてSheikh Hassan "Turki" Abdullahiが率いる戦闘員・武装トラックの一団が増援として進発したという。
―Turkiが動いた。ヒズブル・イスラムの副首領格,Aweysに残された最大最良の剣,ソマリアのイスラミスト運動の父たる彼が。キスマユ派は,さてTurkiと戦うことができるでしょうか(戦術的能力の意味で)?
あるいは,事態の帰結は,おおよそ予測の範囲内に収まるであろうと考えつつも,様々なオプションがとれるようにしているものか。Hizbul Islamの大兵力注入は,少なくとも悪くとも彼の黙認の下に行われたものでしょうし(でないとすれば,Aweysの政治的影響力が極めて低下しているということになる),武装トラックを10台単位で叩き込むとは,ソマリア基準では圧倒的戦力による大決戦を意味するでしょうから。
Garowe Online Islamist rebels in Somalia declare war on each other Sep 30, 2009 - 1:38:56 PM
アルシャバブ・ヒズブル・イスラムは木曜,別個に記者会見を開いて相互に宣戦布告。キスマユのアルシャバブ広報担当者Sheikh Hassan Yakubは,アルシャバブは外来勢力から「キスマユを防衛するであろう」とする。「我々はキスマユの民衆に,彼らのここ一年の政府を護るよう求める―Hizbul Islamの一部をなす,Sheikh Ahmed Madobeの攻撃から」。彼は(アルシャバブ公式の)al-Andulusラジオを通じて述べる。
彼がいわく,「もろもろの犯罪が帰ってきたのだ」,アルシャバブの一年間の平和的統治の間,キスマユの住民はリラックスできたものだが,いまや「殺人や,女が衣服を脱ぎ去るような」犯罪が戻ってきたのだ!
他方Hizbul Islamの広報Sheikh Ismail Haji Addowがモガディシュで言うよう,ヒズブル・イスラムの戦士は「キスマユを防衛するであろう」,もしもキスマユで戦闘が始まるなら「ソマリア中で戦を」起こすと述べる。
「もしも銃撃戦(銃弾たち,bullets)がキスマユで始まろうものなら,全国を揺るがすであろう。銃撃は何処でも起こるであろう,我々の戦士がいるところでなら―我々はアルシャバブの権力なるものに反対するのだ」。「我々は,我々統治下の地域で権力を主張する如何なるグループをも許容しないであろう」。
またSheikh Addowは,アルシャバブ指導者連はヒズブル・イスラム構成員に「アルシャバブに入れ,ソマリア政府に,あるいは民間人の一員となれ」と呼び掛けているとし,「ヒズブル・イスラムは実力ある一個の組織体だ。我々は決して他の組織に武器を引き渡しはしないし―さもなくばただ[恐らく,この世を]去るのみだ」。
キスマユでは武器が山と積まれ,木曜には店は閉まってしまった。さてもしアルシャバブがヒズブル・イスラムと戦闘にはいるとすると―彼らは政府軍,AMISOM,Ahlu Sunnahと,ソマリアの主要な諸組織すべてと戦闘にはいることになる。
他方Aweysは新たな聖戦newjihadを宣言する―彼の嘗ての同盟者Sheikh Sharifが率いる暫定政府に対しての。しかしキスマユにおけるアルシャバブとヒズブル・イスラムとの間の亀裂についてはコメントを避ける。
彼は水曜,モガディシュ南郊Elasha Biyahaで語る―2007年以降,避難民居住キャンプが都市に発展した場所で。この地はLafoleと名付けられ,ヒズブル・イスラムによって統治されることになる!
「AMISOMと戦うことであれば,これは我々の義務なのだ。というのも,彼らは我々の国を侵す敵なのだから」。キスマユの問題はどうです,と報道陣に問われれば,彼は「諍いは解決するであろう」というに留める。
以上,概ね全面的翻訳+解説。…以上の記事は,基本,昨晩ShabelleMediaNetworkが報じた内容と変わりません。ですが,こっちの文章の方がはるかに読みやすいです。bulletが単数(S.M.N.)か,複数(GaroweOnline)かも違っている点が注意できます。S.M.N.の単数の場合,キスマユでものっそ切羽詰ってる感がありますが,GaroweOnlineの訳の場合,全国的・全面的戦争を口にして威嚇していることになりますか。
Hizbul IslamはSheikh AweysとSheikh Hassan "Turki" Abdullahiとの,長年のイスラミスト指導者たちに率いられるものである,と記事中に説明されます。AweysはTurkiの(Madobeの)勝利を期待し,予期しているでしょう。アルシャバブはしばしば彼に煮え湯を飲ませており,とりわけ明確な反意を示したキスマユの場合,そうそう容赦するとは思えません。
それでもキスマユ・アルシャバブが圧倒されず,互角といえるほどねばった場合,アルシャバブを懐柔し,再度反政府闘争の戦列に戻す方策が考えられねばなりません。反政府側最高級指導者として,キスマユ・アルシャバブを単に敵と断じることは避けるべきです―それはアルシャバブの轍を踏む行為です。
Alshahid Islamist Insurgents on the verge to fight in Kismayo 30 September, 2009
これも戦闘直前の情勢を伝える記事。真面目に訳して紹介しようかと思いましたら,戦闘が既に派手に展開してしまっているようで:
Garowe Online Somalia: Islamist rivals fight in Kismayo, 25 killed Oct 1, 2009 - 1:42:58 PM
木曜朝7時から戦闘状態にはいる。死亡者は少なくとも25名と言われ,しかもその多くが戦闘員であるという―巻き添えの民間人の方が多いのが通例のソマリアの戦闘にしては珍しく,この激しさはアルシャバブ+ヒズブル・イスラム vs Ahlu Sunnahのときのようです!
但し,10名は戦闘の町から逃れようとして事故で横転した車両に乗っていた者で,民間人であるという。
少なくとも8名がキスマユ近郊で死亡し,うち4人は一家族に属するものであるという。
アルシャバブは自派所有のラジオ局Al-Andulusを通じて,ヒズブル・イスラムの戦闘員たちが投降したとするそうです。
午後一時にはアルシャバブ戦闘員が町役場,警察署,中央監獄と空港を支配していたとのこと。―つまり,この時点でアルシャバブは負けていない(警察署は最初から彼らの支配領域だったはず)。他方ヒズブル・イスラムは市北部の港湾施設を確保。なお港湾地域では戦闘の報告がないという。つまりアルシャバブはキスマユの(民間活動・商業・税収の)心臓に手を着けてはいない。
なお,未確認情報として,モガディシュからキスマユめざしてSheikh Hassan "Turki" Abdullahiが率いる戦闘員・武装トラックの一団が増援として進発したという。
―Turkiが動いた。ヒズブル・イスラムの副首領格,Aweysに残された最大最良の剣,ソマリアのイスラミスト運動の父たる彼が。キスマユ派は,さてTurkiと戦うことができるでしょうか(戦術的能力の意味で)?
しかしまー,どーするんでしょうねー,『アルシャバブは反米せいぎ!』って前提してる子は。
米国のテロリストリストに載ってるソマリア最大の反米主義者,Turki(本人トマホーク3発で狙われ済)と(事実上)Aweys(子飼の秘蔵っ子を挽肉にされた)とが,キスマユ・アルシャバブを打撃しようとしているわけですがー。