Lily flower。大きく開く艶やかな顔立ち、濃厚な香り。すらりとした茎に咲く印象的な花。北半球の亜熱帯~亜寒帯に咲く百合。
ユリは本来、初夏~夏にかけて咲く球根の花。そのため、オトメユリ、ササユリなどの原種は、自然開花する夏のいっときだけ切り花用の花材として出回る。かつてユリは日本の野山の風景に溶け込んで咲いていた、野性味漂う花だった。
そのユリが、わが家の庭に突如咲いた。「球根の花」という認識だったから、なんで飢えてもいない庭に???と不思議に思ってた。
調べてみたら台湾原産のテッポウユリ亜属、タカサゴユリ。種子を多くつけ、風で運ばれて分布を拡げる。初年度は茎や花を出さずに数枚の葉を出すだけで球根を太らせ、球根が充分太ると翌年度以降に茎を伸ばして大型の花をいくつも咲かせるらしい。
ときに群生して大きな花を咲かせても、数年経つとまた他の地へ旅立つように去ってゆくらしい。旅する花だ。