米国史上最長の戦争の終結。20年にわたり、NATOや同盟国の協力を得て、アフガン駐留を続けてきたアメリカ。当初の目的は、911テロの報復と安全保障。だが時を経て建国へと形を変えた。いうまでもなく、アフガンは古くから大国が侵略しては失敗する政治的な難所だった。
しかも、汚職にまみれた政府の無能さは、タリバンが国中の都市・地方をたった10日で掌握したことから明らかだ。アフガン軍が国を守る気も能力もなかったのは致命的だ。いわば自業自得。2020年に米国とタリバンの間で署名された和平協定は無意味だった。
アフガンで今後人権が守られるということはない。タリバンが管轄下で進める政策は、権規範に真っ向から反している。これからも大量発生する難民を助けられるてだてはあるのだろうか。おそらくは英国、ソ連、そして米国を排除したタリバンは、北朝鮮とおなじ道筋を歩んでいくのだろう。
他の国にできることは限られてしまった。
それでも、思う。何かできることはないのだろうかと。