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街中はハロウィン。オレンジ色のカボチャを見ない日はない。
ところで、ドラキュラとともにいるのは吸血蝙蝠。「キュウケツコウモリ」かと思いきや、正式な名称は「チスイコウモリ」のもよう。
チスイコウモリは、コウモリ目チスイコウモリ科。英語でvampire bat。
メキシコからアルゼンチンのあたりまで、中南米の広い範囲に生息。大きさは7~9cm、体重はだいたい25~40g。
「チスイ」の名の通り、睡眠中の哺乳動物を歯で傷つけて出てくる血を舌で舐めとるらしい。1晩で1オンス(28gほど)の採血。
キャトルミューティレーションとは違い、人間の献血の際の採血量よりもずっと少ない。
吸血コウモリの仲間は、ナミチスイコウモリ(Desmodus rotundus)、シロチスイコウモリ(Diaemus youngi)、ケアシチスイコウモリ(Diphylla ecaudata)があり、血をすするのはこの3種だけ。
これら吸血コウモリは、餌となる生き物の匂いを嗅ぎ付け、赤外線センサーを使って皮膚の暖かく血流の多い部分を見つける。血だけを選り分けてご食事。
ところで、吸血コウモリは血のみをすするように進化したことで、甘味と旨味を感じる能力を失ったという。
進化の過程では、使わないものは失われる。ちなみに、苦味受容体は鼻で細菌の存在や、精子内で卵子からの化学物質を感知。また、消化器官で毒素を感知するのに不可欠なものだ。・・・卵子って苦いんだ!
チスイコウモリは100匹~1000匹ほどにもなる大きな群れを形成。その群れの中で、さらに小さな群れに分かれ、オス1匹とメス10匹程度からなる。チスイコウモリは2晩続けて血が吸えないと餓死してしまう。このため、チスイコウモリのメスは、不運にも獲物にありつけなかった仲間に吐き戻した血を分け与える。この行動は、自分があとで助けてもらうために相手を助けておく「相互利他」の古典的な例だ。
空腹のため仲間に吐き戻しをしてやれなかったコウモリは、食事ができるようになると、ふだん以上に仲間に血を与えるようだ。
つまり、チスイコウモリのメスは、困ったときに誰を頼ればよいかを常に意識していて、関係が悪くなりそうになると積極的に修復しようとするらしい。女性たちはいつも賢い。
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