鳥取藩お抱えの宮大工『小倉園三郎』によって、嘉永6年(1853)に建立された「神崎神社・本殿」。方二間「権現造り」、通称「八ッ棟造り」とも言われます。
総欅造り、正面入母屋の屋根は長く伸び、軒は唐破風の向拝。下から見上げれば、そこに展開される精緻な彫刻の凄さに圧倒され、デジカメの存在を忘れてひたすら見上げる二人。
唐破風懸魚は菊花
向拝から、薄く口を開き睨みを利かせる「龍」、その上に「蛇の目紋」と、「葡萄にリス」の彫刻。こういう細かい部分を写すには、やっぱり高性能のカメラが必須なのでしょうが、無い袖は (ノ_-。)
向拝木鼻の「獅子」と唐破風狭間の「龍」、ただもう「すごいねぇ~」しか言葉が出てきません。もちろん周囲の彫刻も面白いのですが、やはり神社彫刻の花形には圧倒されます。おかげで、鼠やら大根やら・・色々興味深い彫刻を写すのを、すっかり!忘れてしまってた・・・・
反対側・狭間の向かって左上の彫刻、最初は達磨大師かと思ったのですが剣を持っているから違うな・・龍の鋭い眼光に身じろぎもせず睨みあうこの緊迫感。
そうか!!もしかして・・・須佐之男命の大蛇退治!!
唐破風の下に仲良く並ぶのは「鳳凰・龍・象」、三者三様いずれも表情豊か。
屋根下では、天上の花々に囲まれて大きく羽を広げる一対の「鳳凰」
神社建築に登場する大御所が「龍」なら、「獅子」は花形的存在でしょうか(^▽^)/ それぞれが思い思いの姿勢で遊び戯れ、追いかけ、見返りながら疾駆しています。 見返る獅子
戯れる親子獅子
じゃれあう仔獅子たち
母獅子の背にしがみ付く仔獅子
「波」は水を表す火除け、「兎」は子孫繁栄や豊穣を象徴するとして様々な場所に使われる「波兎」。後から来る兎を見返るもの、遅れまいと必死に駆ける兎。
兎と亀の逸話はイソップ寓話ですが(笑)、こちらの「海亀」さんは、後からくる連れを気遣いながら波間を振り返り・・
その姿に満面の笑みを浮かべて追いすがる・・もしかしたら子供の海亀さんかも(〃∇〃)
「這い松」の間で遊ぶ「馬」は親子?、それとも夫婦?。意外と楽しそう(笑)
大きな木の下でくつろぐ「牛」さん。木には、大きく実ったかぼちゃのツルが巻きついて・・・これらは多分十二支の彫刻だと思うのですが、画像にきちんと残っているのはこの二枚だけ。
欄間彫刻は「鶴に松」、その上には「扇面と檜扇(ひおうぎ)」
ちょっと変わった所では「鶴仙人」。もしかして反対側には別の仙人もいたかも・・
「脇障子」の彫刻は、大きな鯛を抱えた『恵比須神』と、木々の間で飛び立つ時を待つ「鷹」。
逆光で鮮明さにかけてしまいましたが、反対側には『大国様』と『出雲阿国』。片足を挙げて踊っている女性の足元で、観衆が扇を広げて喝采を送っているのが見えます。
本当はもっと沢山、面白い・珍しい彫刻があったのですが、満足に画像に残せたのはこれ位・・・消化不良ですが本殿の彫刻はこれで終了。明日は拝殿彫刻の紹介です。
参拝日:2012年4月21日
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