医療生協の情報誌『comcom』のトップ記事は長門裕之へのインタヴュー
日本生協連医療部会が発行する『comcom(コムコム)』という月間の情報誌がある。あまり一般の方が目にする機会はないと思うが、医療生協の病院や診療所には置いてあるので、あるいは目にされた方もおられると思う。
その「コムコム」の今月号・11月号のトップ記事は、長門裕之が登場している。長門へのインタヴュー記事「今日も笑った 明日も笑おう」だ。
長門裕之と言えば、認知症を患った妻南田洋子との日々をテレビや著書『待ってくれ洋子』(主婦と生活社刊)で明らかにし、話題となった。そして、先頃、その妻南田洋子が永遠の旅立ちをしている。その際の長門裕之の涙の会見を目にしたばかりなので、「コムコム」のインタヴュー記事を興味深く読んだ。
実際に介護した人の言葉であり、どの言葉も私の心に染みてくる。「洋子が笑う。それは彼女の中気持ちので何かが弾んでいるということ。その笑いを見ることが、介護する上でのひとつの目標でもあるんです。今日も笑った。明日も笑おう。明日も笑って欲しいから、洋子の全てを引き受けてやりたい」と語っている。深刻にならず、苦労を語らず、喜びや新たな発見、感動を語っているのでいい。だから元気をもらえる。
また、インタヴュー記事の中で、長門が「特効薬もなく、研究も遅れているのが認知症です。現在その患者は170万人で、2050年には500万人にもなるといわれています。」と語り、「認知症は決して恥じゃないし、年をとったら誰でも介護が必要になる」とのメッセージが聞こえてくる。
この雑誌の今月の特集は、「在宅の願いにこたえる」だ。私も法人が運枝するいくつかの介護事業所を訪問させていただいたこともあり、興味深く読ませてもらった。
私自身もいくつかの慢性疾患に悩まされているが、今日も元気で笑って、前向きに生きていこうと、元気をもらったインタヴュー記事だ。