地底人の独り言

いつまでもみずみずしい感性を持ち続けて生きたいと願いつつ、日々の思いや暮らしを綴っていきます

ごあいさつ

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組曲虐殺

2009年10月30日 | 歌舞伎・演劇・バレー
 


多喜二を笑いと涙で包み組曲に仕立てた、井上ひさしの名作「組曲虐殺」

 「我々の藝術は 飯を食えない人にとっての 料理の本ではあってはならぬ」、小林多喜二(1903年生まれ)の書いた色紙の言葉である。プロレタリアート作家として高名で、80年前に書かれたその著書『蟹工船』は、今日の格差社会の中で、若者達に愛読されベストセラーとなっている。その小林多喜二は、29歳の若さで、特効警察の手で拷問され虐殺されている。
 そんな小林多喜二に、劇作家井上ひさしが挑戦したのが、舞台「組曲虐殺」である。井上ひさしがどのように多喜二を表現するのか、とても興味深く、少し遠くはあるが、昨日「兵庫県立芸術文化センター」でその舞台を観た。
 舞台奥の少し高いところに、ピアニスト小曽根真が、ピアノを生演奏しているのが浮かび上がる。そして出演者全員が「小林三つ星堂パン店 小樽で一番のパン屋さん」と歌い始める。演出は、栗山民也だ。
 井上ひさしは一つの作品を描くのに、その資料代だけでも1千万円も要すると以前に聞いたことがある。小林多喜二の作品を徹底的に読み込み、かつその周辺も実に入念に調べて、書かれているのがとても良く理解できる。そしてそれを、井上作品らしく喜劇に仕立て上げ、今回は加えて組曲として、しかも笑いとともに、涙も用意されていた。笑い声とともに、ときおり会場からすすり泣く声が溢れる。まさに、素晴らしい舞台であった。
 やはり、井上ひさしの戯曲はとても素晴らしい。小林多喜二を、著書『蟹工船』と同じように、今日に蘇らせた。感動だ。そして、今回の舞台では、高畑淳子が抜群の存在感を示して、魅力的だった。
 これまで、岡山以外で舞台を観るのは、松たか子の舞台か劇団新感線の舞台程度であったが、今回は無理して観に来て良かったと思える、豊かな舞台だった。

 
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蜷川実花

2009年10月30日 | 展覧会・講演会
 


誰れもを一目で惹きつける極彩色の花々、まさに「地上の花、天上の色」だ 
「フィルムにこだわり、色を一切編集しないで生み出される極彩色の世界」、蜷川実花の写真に寄せられる表現だ。
 写真家蜷川実花は、高名な演出家蜷川幸雄の娘だ。当初は、そのことが強調されたが、今ではそうした説明は消えており、写真を中心として、今では映画監督を務めるなど大活躍中だ。
 その蜷川実花の写真展が、近くの西宮・大谷記念美術館で開催されてると知り、出かけた次第だ。展示された作品は、蜷川実花らしい、まさに極彩色の世界が展開されていた。蜷川実花の写真の代名詞ともなっている、花とか金魚の大きな写真は何度か見てきたが、やはり魅了される。
 同時に、今夏の展覧会では、男性も松平健などもあったが、たくさんのアイドルの写真が展示されていた。蜷川実花の活躍ぶりを示す拡がりだ。そしてたくさんの写真の中に、我が松たか子のものもあった。が私的には、今ひとつだった。
 「『とどめておけないものを写真で残す』ため、うつろいゆく生の一瞬の輝きを鋭敏にとらえ、この世のものではないような色彩で創り出す作品世界を、美術評論家松井みどりさんは『地上の花、天上の色』と表現しました」(主催者挨拶より)。
 この「蜷川実花展 -地上の花、天上の色-」は、11月29日(日)まで開催されている。あなたも蜷川実花の写真世界を楽しんでみられては如何。
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