21世紀中年

昭和オヤジのときめき、ひらめき、感激、嘆きを思いのままに書き連ねます

首相の偽装献金追及はもういいよ

2010-04-23 08:46:33 | 政治にモノ申す
 鳩山首相の偽装献金事件で、元秘書に禁固2年執行猶予3年の有罪判決が下った。首相はこれで事件の幕を引く腹積もりだが、マスコミは母親から提供された資金の大部分が使途不明であるとして、さらなる追及の構えだ。これに世論はどう反応するのか。世論調査を行えば、間違いなく7割が首相の説明責任を果たしていないという数字が出るだろう。

 問題は国会である。野党は当然、国会で首相を追及するだろう。そのために資料提出を要求するが、首相はその必要はないと突っぱねている。

 あくまで私論だが、もうこの事件は解決した。首相にかけられた犯罪疑惑とは何か。献金偽装に関わっていたのか、母親から提供を受けた資金の処理に問題はあるのかである。事件は知らなかった。私は代議士秘書の経験があるが、金集め、使途、管理については代議士本人が関わっていないケースがほとんどだ。あえて関わらせないようにすらしている。首相の場合もそうだろう。だから、本当に知らなかったと思う。一方、資金は後出しではあるが贈与と申告し、税金を払った。せこいが、犯罪には至らなかった。

 事件は決着したが、道義的責任、政治とカネの透明性という問題は残っている。しかし、犯罪性がなくなった疑惑をこれ以上追及してどうなるのか。というより、国会でやる意味はないと思う。グレーな部分は、安い週刊誌に任せておけばいい。

 それというのも、日本人が政治家の疑惑やスキャンダルを真剣に受け止めるとは思えないからだ。小沢問題がいい例ではないか。あれだけ悪と報道しながら、選挙結果はどうだったのか。民主党の大勝である。しかも、小沢氏だけでなく、かつての盟友二階堂氏までそのままなのだ。

 つまり疑惑は所詮疑惑どまり、逮捕されない限り、国民は許すのだ。検察調査会の結果がどう出るかわからなが、とにかく日本における政治家の犯罪に対し、疑惑のうちは国民は大甘なのだ。

 そう考えると、首相の道義的責任をいつまでも国会で追及することは時間の無駄以外のなにものでもない。怪しいという印象は残ったわけで、後は国民がそれをどう判断するかである。今さら、金を何に使ったかなど、それこそ無意味だ。額はともかく、そんなこほとんどの政治家と変わらないのだから。特に派閥主義の自民党議員にはわかっていることだ。

 とにかく逮捕されて有罪にならない限り、政治家はしゃあしゃあと生きるのだ。よしんば逮捕されたって、鈴木宗男なんて、今や北海道のヒーローだぞ。

 政治とカネ問題の本質は、疑惑追及より、根本的な部分をもっと議論することが先決だ。金がかかる政治、つまり選挙制度だが、この問題を解決しない限り、解決することなどない。

 
コメント
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