21世紀中年

昭和オヤジのときめき、ひらめき、感激、嘆きを思いのままに書き連ねます

政治災害を危惧!

2011-05-12 09:23:57 | 政治にモノ申す
 震災から2カ月、被災地の復興は牛歩の歩み、特に原発被災地は明日がまったく見えないありさまだ。もちろん、未曾有の大災害ゆえに、時間を要することはあらかじめ織り込み済みだが、気になるのはいつまでも将来像を描けるだけの計画が定まらない点だ。その中で、補償をどうするかだけがやみくもに語られる。

 被災地に一刻も早く補償の道筋をたてるのは道理だが、どさくさまぎれに補償だけを済まそうとするのはあまりに愚かである。とくに原発はこれからどうなるかまったく見えない状態にもかかわらず、数兆円の補償額を想定し、電気料金を値上げするだの、どうにもいただけない。
 早期の仮払いは当然だが、被災者の心中を察すれば、当然、その後の補償の担保が必要だ。いくら補償額に天井を設けないといったところで、具体的な補償方針もしめさず、おおざっぱな銭勘定だけでは、不安は募るばかりだ。

 いつまで避難生活が続くのか、住んだ家には戻れないのか、とにかく先が見えないだけに方針が定まらないのは致し方ないのかもしれないが、せめて東電並びに国がどの範囲まで補償するかくらいは検討してしかるべきだし、一方的な条件提示ではなく、自治体や住民との話し合いが積極的に行われてしかるべきなのではないか。加害者と被害者の立場はすでに明らかだが、払う側はとことん値切り、受ける側はとことんふっかけるという民事訴訟とはわけが違う。まして、補償金の原資が電気代となれば、結局は国民全体に関わる問題である。である以上、ここはあらゆる角度から補償の在り方を模索する必要があるはずだ。

 たぶん、それをリードするのは国の責任だし務めだろう。その国があたふたしっぱなしなのだから救いようがない。

 先のメディアの世論調査は約6割が菅政権の復興策に期待できないとしながら、なぜか政権を1年は維持すべきというのだから、首をかしげる。有権者は何を根拠に政権を維持すべきと言っているのか全く理解に苦しむ。期待していないないのに、政権を維持すべきという思考はあまりに無責任ではないか。
 一刻も早い被災地の復興、ひいては国家の再建にベストを尽くすなら、どのような体制で臨むのか模索すべきだし、場合によっては有権者に問うことも当然必要なのではないのか。

 原発対応など行き当たりばったりの軽薄な官邸政治を見せつけられては、期待できないどころか、震災から人災すなわち政治災害に発展する恐れすらある。

コメント
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