リバティアイランド、一強と言われる桜花賞だが、そう言われれば言われるほど、そんなに簡単じゃないだろうと思えてくる。確かにジュベのリバティは圧巻の走りだった。父のドゥラメンテというより、ディープインパクトを思わせる直線の脚だった。
あの走りを見せられたら、桜花賞も敵なしと言いたくなる気持ちもわからないわけではない。しかし、所詮は経験の浅い若い娘たちのレースであり、成長力も見込めるレースなのだ。もし、リバティが先行逃げ脚質だったら、文句なしに大本命なのだが、仕掛け次第で状況が一変する可能性は捨てきれない。しかも、今回は内目の3番枠、場所は違えどあの仕掛けが遅れたアルテミスと同じ枠である。勝ったラヴェルが大外からスムーズに加速し、前を捕らえたのに対し、リバティは内で包まれ、外に持ち出した時は既にラヴェルがスパートを切った後だった。そんな悪夢の再現も可能性としてはあるわけで、今年の桜花賞は激戦と見るほうが楽しい。
当然、力ではリバティが抜けた存在であることに異論はない。
それではリバティを脅かす存在は誰かということになる。
ライトクオンタイム、ドゥアイズ、ハーパー、シイリョクカ、ドゥーラ、そしてチューリップ賞を逃げ切ったモズメイメイといったところだろう。
脚質から注目したいのは、モズメイメイだ。今回はほかに逃げたい馬が見当たらないだけに、間違いなく逃げの手の出るだろう。自分のカタチが作れた時は、当然、怖い一頭だ。
ライトクオンタイムはディープ産駒最後の桜花賞馬が期待され、鞍上も武豊と、陣営も一段と熱が入る。男馬相手のシンザン記念を勝ち、態勢は整った。フルゲートの内枠が課題だが、名手がすんなり好位をキープすれば、怖い一頭だ。そこで気になるのが、隣の枠に入ったリバティがどんな作戦をとるのかだ。もし、川田がライトをマークして、思ったより前で競馬をすれば、面白い。
ペース次第で追い込み勢にもチャンスが出てくる。そんな場面で出番があるのがブトンドールとラヴェルだろう。ブトンドールは最内1番枠は厳しいが、池添に乗り替わるのが何とも不気味だ。腹をくくった時の池添は怖い。なんたって桜花賞男である。
そして17番枠のラヴェルも、前がやり合ってくれるようなら、大外からまとめて面倒を見るだけの脚は持っている。矢作厩舎、坂井瑠星のコンビは期待できる。
リバティは強いが、それでも見下げたライバルたちがが台頭する場面もゼロではないということだ。もし、穴を開けるとすれば、逃げ切りが期待できるモズメイメイと追い込みの2頭だろう。
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