日本の実体経済、その強さと弱さ 1
前回、最近の株式市場の乱高下は、日本の実体経済にはほとんど関係ない動きなので、そんなことに一喜一憂せず、実体経済の健全な発展に力を注ぎましょうという趣旨の事を書かせて頂きました。
アメリカ発のマネー経済の流行で、経済の勉強には株式市場の見学が良いなどといった困った風潮もあります。
本当の経済活動というのは、モノづくりの現場やコンビニの流通・販売システムなどで、誰もが毎日接触しているところです。
マネー、金融、証券市場というのは、本来、そうした実体経済活動をスムーズにするための潤滑油として生まれたものです。今それが巨大投機資本という形で独り歩きし、本体である実体経済を振り回しています。困ったことです。
その中でも日本は $1=¥80が$1=¥120になって、日本の実体経済はやっと順調に回転するようになって来ました。円高という桎梏から解放されたからです。
勿論、経済のグローバル化で、海外諸国の経済状態に影響されますが、世界3位の規模を持つ日本経済です、アメリカやヨーロッパがガタガタしても自立した成長路線を確保することは決して不可能ではありません。
現に1980年代の前半までは、アメリカやヨーロッパ主要国が軒並み先進国病(中身は スタグフレーション)で苦しむ中で、日本は「 ジャパンアズナンバーワン」と言われる経済を実現していました。
この実績の背景は何だったのでしょうか。すでにご承知の方も多いと思いますが、労働コストの安定です。スタグフレーションの前段は「 賃金コストプッシュインフレ」です。コスト高で競争力が落ちると、売上減、生産減、利益減で物価上昇と不況の併存、つまりスタグフレーションになります。
政府は景気を回復させようとケインズ政策を取りますが、グローバル化の中で競争力のない経済を財政出動で浮揚させることは不可能です。結局は財政赤字、そして増税となります。
日本でも、プラザ合意による円高、競争力喪失、財政出動、財政赤字、消費増税ということになりました。
こうした各国の経験から見えて来るものは何でしょうか。経済活動の中で最も重要な2つのバランスが見えて来るのではないでしょうか。
それが「労使関係のバランス」と「官民関係のバランス」です。
この辺りから、今後の日本経済の将来も見えて来るようです。(以下次回)
前回、最近の株式市場の乱高下は、日本の実体経済にはほとんど関係ない動きなので、そんなことに一喜一憂せず、実体経済の健全な発展に力を注ぎましょうという趣旨の事を書かせて頂きました。
アメリカ発のマネー経済の流行で、経済の勉強には株式市場の見学が良いなどといった困った風潮もあります。
本当の経済活動というのは、モノづくりの現場やコンビニの流通・販売システムなどで、誰もが毎日接触しているところです。
マネー、金融、証券市場というのは、本来、そうした実体経済活動をスムーズにするための潤滑油として生まれたものです。今それが巨大投機資本という形で独り歩きし、本体である実体経済を振り回しています。困ったことです。
その中でも日本は $1=¥80が$1=¥120になって、日本の実体経済はやっと順調に回転するようになって来ました。円高という桎梏から解放されたからです。
勿論、経済のグローバル化で、海外諸国の経済状態に影響されますが、世界3位の規模を持つ日本経済です、アメリカやヨーロッパがガタガタしても自立した成長路線を確保することは決して不可能ではありません。
現に1980年代の前半までは、アメリカやヨーロッパ主要国が軒並み先進国病(中身は スタグフレーション)で苦しむ中で、日本は「 ジャパンアズナンバーワン」と言われる経済を実現していました。
この実績の背景は何だったのでしょうか。すでにご承知の方も多いと思いますが、労働コストの安定です。スタグフレーションの前段は「 賃金コストプッシュインフレ」です。コスト高で競争力が落ちると、売上減、生産減、利益減で物価上昇と不況の併存、つまりスタグフレーションになります。
政府は景気を回復させようとケインズ政策を取りますが、グローバル化の中で競争力のない経済を財政出動で浮揚させることは不可能です。結局は財政赤字、そして増税となります。
日本でも、プラザ合意による円高、競争力喪失、財政出動、財政赤字、消費増税ということになりました。
こうした各国の経験から見えて来るものは何でしょうか。経済活動の中で最も重要な2つのバランスが見えて来るのではないでしょうか。
それが「労使関係のバランス」と「官民関係のバランス」です。
この辺りから、今後の日本経済の将来も見えて来るようです。(以下次回)