tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本経済、今年は成長路線へ

2015年01月08日 10時46分19秒 | 経済
日本経済、今年は成長路線へ
 政府が2015年度の経済成長率を実質1.5パーセント、物価上昇を含む名目で2.7パーセントに決める方針という報道がありました。
 アベノミクスを喧伝する割には低目だなといった感じでしょうか。GDPでフレーターも1.2パーセントと低く、2パーセントのインフレターゲットには届きませんが、昨年のように、1.9パーセントなどと鉛筆を舐めるより良心的です。

 ところで民間企業で、実際にお仕事をしておられる皆さん、現場の実感をお持ちのエコノミストの方々、この1.5パーセント成長予測にどんな感覚をお持ちでしょうか。tnlaboは正直言って、日本経済にはもう少し元気も実力もあるのではないかと感じます。

 世界情勢は不安定です。原油価格が乱高下し、EU、ロシアの経済不振が言われ、そのたびに、マネーマーケットは乱高下します。多様な国際紛争もあります。アメリカの出口戦略には今後もいろいろあるでしょう。

 しかし、日本経済、それを支える日本企業の活動状況、雇用、賃金問題、労使の対応などを冷静に見て行くと、いよいよ日本の実力が生きてくる環境になりつつあるような気がします。

 最も基本にあるのは円レートでしょう。もっと円安(円暴落)になるとか、したいとかの意見もあるようですが、繰り返し述べますように、もう日本は物価の安い国です。これ以上の円安は必要ありません。他方、今回も「有事の円」を感じさせる日本の国債への需要もありましたが、円高に大きく振れるようなことは当面なさそうです。

 $1=¥120辺りで、一方アジアの低賃金諸国の賃金上昇、インフレ率は加速しています。いよいよ、多くの日本企業が、国内回帰を考え始めています。日本品の質がいいのは、日本人よりも、外国人の方がよく知っているようです。日本の国産品のプレステージは高まるでしょう。

 日本食、和紙、さらにはジャパニーズクール、カワイイといった日本の生活用品、生活文化そのものが世界の人気になっています。
 このところ、大企業製造業の国内回帰の報道も多いですが、地方の伝統企業やベンチャー企業の世界のマーケットへの進出も急です。

 原油価格の低落は、何時まで続くか不明ですが、これに狼狽するのはマネーマーケットの話で、実体経済としては、これは産油国から石油消費国への富の移転です。99パーセント輸入原油に依存する日本経済には99パーセントプラスです。

 人手不足の中で、新卒採用は増え、正規雇用化も進むでしょう(進めてほしいと思います)。賃金も上昇するでしょう。しかし、大きなコストプッシュになるような春闘結果にはならないでしょう。
 日本経済は、安定した成長路線に進む可能性が高まっています。

 もともと日本的経営は常に「実体経済」にその基礎を置いた、足の地についた経営の在り方が基本です。いよいよ日本経済の出番ではないでしょうか。