tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

円の独歩高放置は日本経済の破滅

2020年03月07日 22時38分04秒 | 経済
円の独歩高放置は日本経済の破滅
 金融の自主性を主張してきたFRBのパウエル議長もトランプさんの剣幕に恐れをなしたか、先月28日、金利引き下げを示唆しました。パウエルさんの説明では、新型コロナウィルスのアメリカ経済への影響を注視しつつ、必要に応じて適切な対策をとるという形の「示唆」ですが、株価が下がることにことのほか気を遣うトランプさん(選挙戦の真っただ中ですから・・・〕怒った顔も気になるところでしょうか。

 その後のアメリカのダウ平均は1000ドルレベルの乱高下で、日経平均も1000円レベルとはいきませんがアメリカに追随して乱高下です。
 
 株価下落を心配する人も、もちろん、多いでしょうが、本当に心配すべきは「実体経済」でしょう。すでに政府は新型コロナの影響で売上高激減の中小企業に対して無担保・無利子の融資をすると言っていますし、麻生財務相は、学校休校で収入減・支出増の過程には政府の責任で補助をすると言っています。

 新型コロナの勢いは、未だにどこまで行くか不明で、これから保健所を通さにで検査が可能になれば、検査が増えることで感染者の増加も当然予想されます。

 「万全の手を打つ」のに、2700億円の予備費で足りるかどうかはこれからの話ですが、カネのない政府も、何としてでも危機突破といった姿勢のようです。

 確かに新型コロナに対しては、政府の意気込みは目に見えるのですが、関連してもう一つの大問題が発生しています。

 それは円高です。パウエルさんが利下げを示唆してから、円高が急速い進んでいます。この間まで、1$は110円~112円あたりと思いますが、現時点ではすでに105円台で、104円台を狙う情勢といった見方もあるようです。

 もしこの状況が続くようであれば、円高も面から日本経済は大打撃を受けることになると思います。冗談ではなく、新型コロナによる「肺炎」は怖い、しかし、アメリカの金融政策による「ハイ円」も恐ろしい。共に、国として全力で真剣に考えなければならない問題でしょう。

 円高がいかに日本経済にとって大きな問題かという事は、プラザ合意による円高、リーマンショックでアメリカがゼロ金利政策をとったための円高で、日本人は、解りすぎるほどわかっているはずです。

 これからアメリカの利下げが具体的になるかという中で、週明けからの円レートがどんな展開になるのか、我々には見当もつきませんが、政府・日銀が「そんな余計な心配をすることはありません。きちんと有効な政策を準備しています」と国民が、家計が、企業労使が、安心してみていられうような円レートの動きが実現されることを願いつつ、今後を十分注視したいと思っています。