tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

知識と知恵の関係:新技術開発に必要な事

2020年03月23日 13時30分50秒 | 科学技術
知識と知恵の関係:新技術開発に必要な事
 キリスト教では人間は泥からつくられた(ただし女性は男の肋骨からつくられた)ことになっています。古事記では、高天原から降りてきた(ただし降りてきたのは神様)とのことで、人間は既に地上(瑞穂の国)に住んでいたことになっています。

 今では、本当にそうだと思っている人は多分いないでしょう。地球の上で、鉱物(水も鉱物)からシアノバクテリアのようなものが出来、それがホモサピエンスまで進化したという進化論の方が信じられていると思います。

 この進化の過程で知識とか知恵といったものがあったのでしょうか。
 全知全能の神、天地創造の神が、その意思をもって進化を進めたのであれば、それは全知全能という知恵と知識が前提ですが、最近の進化論では、偶然起きる突然変異が進化の源という事になっているようです。

 今回の新型コロナも突然変異の結果で人から人に感染するようになったようですが、突然変異というのは、結構頻繁に起きているようで、その中で今の地球環境にうまく適応できたものが生き残っているという結果が進化だということのようです。

 新型コロナは人間が宿主ですから、人間が死滅したら新型コロナも滅亡です。人間がいなくならずに共存することになるのか(環境適応)、人間が新型コロナウィルスを絶滅するか(環境不適応)というのがコロナウィルスが環境適応の成功するかしないかの分かれ目でしょうか。

 こんな風に考えますと、人間が知識と知恵を使って、技術開発するという事は、人間の力でいろいろな突然変異を起こし、その中で人間に役立つものが適者生存という事で社会をより豊かで快適なものにしていると言うことが出来そうです。(原発は適者と思われていましたが・・・)

 技術開発が環境適応できるかどうかは人間が(神様に代わって)判断することになっているようです。
 例えば、ノーベル賞というのは人間社会によりよく適応する突然変異(新発見や新技術)を実現させた人に贈られる賞というとでしょうか。

 確かに、ノーベル賞受賞者のお話の中で、実験中に「あ、失敗だ」と思ったようなことが、素晴らしい結果につながった、などというのが往々にしてあるようです。こんなのはまさに人の手による突然変異の発生でしょうか。

 という事になりますと、技術革新、新技術開発というのは、出来るだけ頻繁に研究開発を行うことで、その中で適者生存(人間が支配者という環境に適切に適応したものが生き残る)したものに与えられる名前という事でしょう。

 では、革新技術を活発にするのに必要なことは何かという事になりますと、「人間の手によって出来るだけ沢山の突然変異を起こすこと」で、その中に適者生存となる(人間に役立つ)ものが出来るだけ多く存在していればいいのです。

 必要なことは当然、必要な資源をつぎ込むこと、つまり「人」と「カネ」の投入です。知識の上に「知恵を出す能力」を持つ人間と、より多くの研究開発費をつぎ込むことでしょう。
 事は偶然と確率に依存することが多いのです(突然変異ですから)。裾野は広いほどいいのです。

 こうして見て来ますと、いまの日本で決定的に不足しているのは、注ぎ込まれる資金量でしょう。すでに見ましたように、この10年で研究開発費は中国4倍、韓国2倍です。 日本「よこばい」です。
 「中国や韓国など」と言っているうちに、日本はどんどん置いていかれるようで、今回のコロナ対策でも、データの収集、治験、検査キットの開発など、マスコミで見ても、日本の遅れが目立ちます。

 最後に一言付け加えれば、日本の研究開発環境が次第に劣化し(野依良治氏の指摘)その結果、研究者の意欲も沈滞しているのではないでしょうか(高度な研究には高度な資金が必要です)。人間の意欲、やる気が研究開発では重要なカギでしょう。

 政府は予算を削り、企業は自力よりM&Aに頼る今の日本はこの先・・・?
 強力な反省が必要なのではないでしょうか。