東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

けしき@1月リレーブログpart12

2019年01月12日 12時00分19秒 | 2019 リレーブログ
あけましておめでとうございます!
といってももうリレーブログは12人目なので、そろそろ飽きてきた頃ではないかと思います。

お正月に帰省し、家でゆっくりしながらこの大学2年間のことを振り返ってみました。
皆さんはどのような気持ちで東大に入学し、どのような部活になると思い描いてヨット部に入部しましたか?



そもそもヨット部に入部することなんて、ヨット部の新勧に参加するまで考えたこともなかったし、部活にここまで時間とお金と労力を割くとは思ってもいませんでした。
もう少し、ヨット部の中の小さなスケールで見てみると、本当に想像もしてないようなものばかりでした。
一年生の秋までは、ヨット部の一つの駒でしかなかったと思います。これは、先輩方が一年生を駒のように扱っていたということではなく、僕自身が先輩に言われたことをただこなすだけで、ヨット部がどうやったらいい組織になるかなど全く考えず、ヨットになれないなぁとぼぉーと考えていました。ヨットに関してはもちろん素人ですが、ヨット部に関してもヨット部のヨの字も知らなかったのです。
そして、1年の冬、4年生の先輩たちが引退していってから、僕の470スキッパーとしての道がスタートしました。ここでかなりヨットに対する気持ちというか責任感が大きく変わったと思います。ヨットというスポーツは安全、衝突しないことが最優先され、どれだけクルーが上手いとしても、最後の最後に衝突を回避できるのは舵を握るスキッパーしかいないわけです。それまで全くしてこなかった船の整備やルールの勉強などもしました。正直、そこからの道は決して楽ではなかったです。周りで練習しているのは、全日本のレースを経験した東大の先輩スキッパーや、全日本トップの早稲田の猛者ばかりです。日々あらゆるところで、レベルの違いを見せつけられました。しかし、幸い部員が少ないことで自分はたくさんレースに出させてもらい、いろんな経験が積めて良かったと思います。

そして、新勧を終え新たな一年生が沢山入部しました。夏休みは、一年生練習やワールドカップ運営の手伝い、レスキューの運営など僕個人の練習はあまりできませんでしたが、レスキューから見ていて、先輩方は頼もしく、同期のクルーも1年で大きく成長したななんて思ってました。W杯で練習環境に制限はありましたが、その中でも出来る限り練習しているわけだし、きっと蒲郡でいい結果を残してくれるだろうと思っていた矢先の、敗北。全日本インカレ出場を逃しました。
僕は全日本行くことなんて当たり前だと思っていたので、その現実を受け入れられず、夢なんじゃないかと何度も疑いました。ただ、レースに出ていたレースメンバーは、違う思いを感じていたり、違う景色を見ていたのかもしれません。

ヨットレースにおいて、景色という言葉はかなり大事な言葉だと思います。


初めてビッグフリートに出る景色
90番目にマークを回航する景色
初めてシングルで回航した時の景色
水色スピンがトップフォーンを鳴らした時の景色
全日本出場を逃した時のレスキューから見た景色





全く同じ景色がやってくることは2度とないですが、この景色を見たことがあるかないかで、その人の気持ちの持ちようや行動は大きく変わります。人によっても、見ている場所からでも景色の見え方は違うと思います。
ヨットレースに限らず、上級生と下級生とでは景色の見え方が違うとよく言われますが、それまでの練習やレース、組織運営の経験値の差が何倍にも異なるからでしょう。
だからといって、上級生が目標を達成するために頑張っている時に、下級生が全く違うことを考えていたら、その組織は結果を出すことはできません。
部員一人一人がみな同じ方向を向いているチームが強いし、永く強くあるための要素だと思います
そうであるためには、下級生が責任感を持ち、自発性がなければなりません。ただ、下級生に責任感を持てっと言ってもうまくいかないでしょう。綿密に意思疎通を行い、しっかりと情報が全員に伝わり、やる気や意義が見出せて、責任感がうまれると思います。


あと292日

今年の秋、西宮の地で部員全員が同じ景色を見れるようにしたいです。

東京大学運動会ヨット部 新3年470スキッパー 松前亮平