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くすりにたよらない精神医学 こころの科学増刊 |
クリエーター情報なし | |
日本評論社 |
そうした批判には耳を傾けるべきところがある一方、極端な論法も目立ちます。
くすりを使わないのでもなく、くすりに寄りかかるのでもない、くすりに頼らない精神科医療こそが今、求められているのではないでしょうか。
そのためには、ユーザーと医療側が対話を積み重ねていくしかありません。
本書には、くすり漬けを脱した患者さんの体験談、自死遺族からの切実な問いかけ、適切な薬物療法を望む発達障害の患者・家族の願い、小児科の現場などの他科の医師の厳しい注文が寄せられています。
もちろん精神科医師からの厳しい提言もあります。
その一方で、くすりにたよらない精神科医療を実践している医師からの報告もあります。
精神科にかかわる人々が、孤立から連帯へ向かうための一冊です。
くすりにたよっていた時代をふりかえる………渡辺ひとみ(仮名)・井原 裕
ドラッグ・フリー・ライフのために………井原 裕
▼ユーザーの願い・コメディカルの思い
自死遺族からの切実な問い………田中幸子
発達支援における薬物療法への不安………今井 忠
くすり漬け被害から目を背けるな………佐藤光展
薬剤師からみたくすり漬け問題…………嶋根卓也
臨床心理士はくすり漬けにどう対応するのか………尾形広行
非行臨床とくすり………藤川洋子
くすり漬けのない高齢者ケア………山崎英樹
症状回復から日常生活回復へ―開発・販売側から考える………島田豊彰
▼くすり漬け化する精神医学
抗うつ薬が現代社会にもたらしたもの………黒木俊秀
統計からうつ病患者の増加を検証する………冨高辰一郎
処方薬乱用にみる精神科医療………松本俊彦
頓用という名の乱用………藤田純一
治療ガイドラインと薬物療法―とくにくすり漬け問題への対応として………松永寿人
くすり漬け問題の人類学………野口正行
精神薬理学化する社会………斎藤 環
▼くすりにたよらない治療
「治さなくてよい」認知症治療―くすりより生活の張り合いを………上田 諭
ADHD治療モデルがぶつかった壁………井上祐紀
くすりにたよらない児童精神科………姜 昌勲
発達障害圏、減薬のコツ………四家達彦
信頼障害としての依存症………小林桜児
薬物依存症の治療を嫌がらないで………成瀬暢也
サイコオンコロジーの流儀―緩和ケアの作法………和田 信
痛みの治療と医療用麻薬―必要なくすりだがたよらない社会へ………山口重樹
▼他科から考える
プライマリケア医が考えるくすりとのつきあい方………井出広幸
総合診療科からみる精神科治療………雪下岳彦・小林弘幸
救急医療から考える精神科治療………北元 健・上條吉人
こんな本が出たようなので 早速注文。なかなか本棚は広くなりません。