今日は久しぶりの広島大学千田キャンパス(医学部出身の学長が医学部の学生だけに広島市内で全部が済むように、となんかセコイことをやってるとこやねん)
Mario先生のお話はとても興味深いものでした。
イタリアでは1904年の法律36号のもとで「自己あるいは他人に危害を加えたり、公序良俗を乱すものは精神病院への強制入院」とする措置が長く取られてきたが、1978年法律180号によって大きな転換が図られた。この法律は先進化病院への新たな入院を禁ずるものでその後40年の歳月の中で今日の精神保健がある。180号(バザーリア方)は病気ではなく人に視点を当てるもの。
トリエステ県は234682人の人口で6つの自治体からなり、4箇所の精神保健センターによって運営されている。だいたい6万人に一つのセンターが26のベッドを持ち、一年365日24時間体制でカバーしている。
2017年には4890件のコンタクトがあり、センター以外への訪問は2266名。このうち、25件の強制入院があった(強制入院という言葉はどうも日本の僕らの感覚とは全然違うもので鍵はなし、身体拘束はしない。一日から最高7日間の範囲でスタッフがそばに寄り添う。また、278名が協同組合などでの就労研修を受け、25名が採用されている。公的なサービスがその地域の住民の精神保健に責任を持つ、利用者が主人公である。
総合病院の中にはSPDCがあって、トリエステ県・ゴリツィア県36万人に対し6病床を持ち緊急に対応している。ここもオープンドアで身体拘束は絶対にしない。総予算は21億円 そのうち94パーセントが地域サービスに使われ(20%の利用者への支給額を含む)6%がSPDCに使われている。(会場からの質問に対し)電気ショック療法はトリエステ県では50年前からやってはいない。治療には本人の病気への認識は必要はない。
イタリアには精神科の病床とは別に司法精神病院があって、バザーリア法ができたのちも(管轄が違うために)長く入院をさせてきていたが、2013年には廃止が決められ最近やっとそれが実現した。
などなど、午後2時きっかりに始まった公開講座が終わったのは午後5時半を過ぎておりました。
かも精神医療センターの医療観察法病棟について「多くのスタッフで、身体拘束なしでやっている」との横藤田先生のコメントに、マリオ先生は「スタッフの数ではなく、大切なのはモチベーションと教育だ」と言われていたのがとても印象的でした。
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