3月27日の日経「私の理履歴書」にレンゴー会長の大坪さんがこんなことを書いておられる。
2007年の製造業での派遣社員契約が3年に延長、2009年に派遣社員を直接雇用にするか、クーリングオフをして再度派遣を受け入れるかの時に
1000人の全派遣社員を正社員にしたというのだ。
コスト増は4億から5億円かかったが、「段ボール加工のロス率がみるみる改善した。従来派遣社員と正社員は作業着の色や帽子のマークが違い、休憩中も別々。不良品が出ても派遣社員は『余計なことは言うまい』『自分たちは関係ない』といった感じだったが、正社員化で雰囲気は一変した。」
また、「正社員になって生活基盤が安定した旧派遣社員たちが次々に自宅を建て始めた・・・・正規雇用になったことで家族を持ちさらに自分の家を建てるようになった。」
これと同じような話を以前に地元の広島電鉄でも聞いた。
会社にとっても労働組合にとっても良いことがたくさんあったという。
当時の社長は「正社員化で一番得をしたのは会社」「お客さんからの苦情がぐんと減った」と言っておられた。
目の前の経費の削減だけを考えるのではなく、働く人の暮らしが守られてこそ企業の発展があるというお話。