納戸にしまい込んでいる本の箱を娘が出してくれたので、処分せんとなと開いたら、壱番上に岩波ブックレットNO6の「きけわだるつみのこえ37年」が載っていました。ペラペラとめくり始めたら手が止まりません。1982年の発行となっていますから42年前・・・・。定価は200円です。
いま、世界を上げて戦争の危機が立ちこめているとき、日本の政府はこれを悪用して日本の軍事化を一層強く推し進めようとしているかのようである。国会では野党がこの流れを変えるだけの力をもたず、世論も見るべき迫力がない。しかし、目をあげて世界を見るとき、人権と平和を求めている人がいたるところに声をあげているのである。そして、非武装平和と人権と主権在民を謳った日本国憲法をもつ日本国民に熱い期待が寄せられていることを無視することができない。ヒロシマ、ナガサキの経験に基づく非核三原則がアメリカ合衆国の軍事目的によってないがしろにされているのに、日本政府は国民を騙し続けている。そのことについて、抗議一つしない日本人が非難されているのである。それは、日本では主権者が国民であるはずだと言うことが知られているからである。「平和」だと思い込んで現状に満足しているそのことが、他人の平和を見出し、やがて自分の平和も失うのだと言うことが、今私たちに厳しく問われているのある。渡したいはそのような歴史的な課題に応えなければならない。そして、私たちがそれを果たすだけの天文を備えていることを、ことにアジア、太平洋地域の人々は期待しているのである。
ブックレットのこの最後の文章は42年後のいま、ますます強く僕たちに迫ってくる。