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ゆっくりと新聞をめくとったら『姑息』という言葉が出てきました。
「姑息な手段」いうたら「一時しのぎの手段」言う意味やそうです。
これまで僕は「卑怯な手段」やと思うとりました。なんでもそう思うとる人が七割にのぼるんやそうです。
確かに文化庁のHPでも解説がしてあります。
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自分が知らんことやったら なんでも人に「知っとった?」聞いて回るんが僕の癖なんやけど、やっぱし 「あんた、知ったはりました?」
「姑息(こそく)」の意味
文化部国語課
「あんな汚ない手を使うなんて,彼は本当に姑息な男だ。」
このような場合の「姑息」は,「ひきょうな」といった意味で使われているようです。「国語に関する世論調査」でも「姑息」を「ひきょうな」という意味だと考えている人が多いことが分かりました。しかし,この用い方は本来の意味からすると,どうなのでしょうか。
- 問1 「姑息」とは,本来どのような意味なのですか。
- 答 一時の間に合わせに物事をすることを指す言葉です。
「姑息」を辞書で調べてみましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
姑息 [名](形動) しばらくの間,息をつくこと。転じて,一時のまにあわせに物事をすること。また,そのさま。一時しのぎ。その場のがれ。
「大辞林 第3版」(平成18年・三省堂)
姑息 [名・形動] 〔「礼記(らいき)」檀(だん)弓(ぐう)上 「姑」はしばらく,「息」はやむ意〕根本的に解決するのではなく,一時の間に合わせにする・こと(さま)。〔現代では誤って「卑怯(ひきょう)である」という意味に使われることが多い〕
「新明解国語辞典 第7版」(平成23年・三省堂)
姑息 ―な 〔「姑」はちょっと,「息」はやむ・それいでいいの意〕根本的に対策を講じるのではなく,一時的にその場を切り抜けることができればいいとする様子だ。〔俗に,「やり方が卑怯だ」の意に用いられる。より口頭的な表現では「その場しのぎ」とも〕「―な手段」
ここに挙げた辞書は,それぞれ,「一時の間に合わせ」という意味を取り上げています。また,「大辞林」と「新明解」では,本来の意味ではない「卑怯である」「卑怯だ」という意味にも触れていますが,共に括弧に入れた上で,「大辞林」では「誤って」,また,「新明解」では「俗に」と断っています。
「姑息」は「礼記(らいき)」(檀(だん)弓(ぐう)上)の故事にある,孔子の門人,曽子の言葉に由来します。病床にあった曽子は,自分の寝台に,身分と合わない上等なすのこを敷いていました。お付きの童子にそのことを指摘された曽子は,息子の曽元にすのこを取り替えるよう命じます。曽元は,父の病状の重いことを考慮し,明朝,具合が良くなったらにしましょうと答えます。それに対し,曽子は,お前の愛は童子に及ばないと,次のように言いました。
「君子の人を愛するや徳を以(もっ)てす。細人の人を愛するや姑息を以(もっ)てす。」(君子たる者は大義を損なわないように人を愛するが,度量の狭い者はその場をしのぐだけのやり方で人を愛するのだ。)
その場にいた者たちは,曽子を抱え上げてすのこを取り替えますが,彼は間もなく亡くなってしまいました。曽子は,一時しのぎの配慮に従って生き長らえるよりは,正しいことをして死ぬ方がよいと考えたのです。
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