降って来るもの

写真と散文とぽえむ

箴言⑽

2019-05-22 21:32:02 | 詩17

         箴言⑽「価値」


僕の存在の価値は

自らの推量では

如何様にも数値化できないから

他人の目線の評価を

慮るしかない


イノチの価値などを云云することが

そもそも不遜なのだ

けれど人間という脆弱な生き物は

己惚れてしまう

言葉の端々に顕在化する驕りが有る


他人の中でどんなに輝いているのか

上から何番目の偉さなのか

どれ程の値打ちものであることか・・


自省しなけらばならぬ

常に己を戒めてゆかねばならぬ

ほんとうは

等級など無いのが

平和の為に望ましいことなのだが・・

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天邪鬼の唄⑬

2019-05-22 13:25:33 | 詩17

             天邪鬼の唄⑬「詩魂は」


詩想が言葉を侵食してゆかない

空白のtimeを切り刻めない

累々たる堆積物から

 泡は上がって来るけれど

時限爆弾のようで

身の裡に取り込めない


時間を費やして

写経したいのだが

念仏は気泡のように素っ気なく滅ぶ


漂泊する詩魂は

未知の彷徨いを愉しみ

句読点を選ぶ潔癖を持たず

 放浪の贅を尽くす


改行の兆しも示さぬ

平坦の虚無が

 狂人のように

僕の宇宙を席捲する

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自画㈤

2019-05-22 05:20:01 | 詩17

         自画㈤「書欲」


まるで書くことに餓える狼のように

こんなにも

書く欲が湧きたつのは

もしかして

生き急ぐ証なのか?

イノチの紐を手繰り集約し使い切る

そのsekkachi故なのか?

いや、iya、否!!

-そうじゃない

あの人が肯定してくれたように

あの人のお墨付きの押印のように

それこそ

唯一この僕が

世渡りの武器として持ち合わせた

生前に産神様が

そっとココロに忍ばせてくれた

誕生祝いの才能なのだと

自画自賛して

-自惚れて

書欲に満ちて

書くことが降って来る間は

このままの僕でいる

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誰にも

2019-05-22 04:58:07 | 詩17

           誰にも


ココロとカラダのどの箇所でも

些細で軽微で取るに足らない

たった一個の問題でしかなかったとしても

或る日とつぜん

inichiの約定の有無を言わせぬ履行のように

その一項目のように

栓塞してしまうと

-意思が通わなくなると

-想いが途切れてしまうと

其処からヒトは必然的に

それぞれの滅亡へと歩み始める


問題は

それが何時何処でどの様に

最初の崩壊を兆すのか?

予測さえできないことだ

どの未来に起こる出来事か?

予見さえできないけれど

最悪の結末を常備して

-最初の不幸は

音もなく・・訪れる

-必ず、誰にも

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