明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(61)草津、渋谷・原宿、そして被災地仙台でもデモ!

2011年04月20日 18時00分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110420 18:00)

全国各地でのデモ情報の続きです。一つはすでに紹介した草津でものの。
前回は、素敵な呼びかけ文を掲載できなかったので、再度、載せました。

2つ目は、東京、渋谷・原宿のもの。主にツイッターで呼びかけており、
約900名が参加表明されているそうです。新しい試みが実るといいですね!

そして3つ目は被災地仙台でのもの。福島第一原発から100キロと、
最も近いところでのデモになるのではないでしょうか。
大地震から立ちあがり、脱原発を訴えて歩こうとしている方々に
エールを送りたいものです。

それぞれのお近くのみなさま、どうかご参加ください!


********************

4.23草津(滋賀)

4.23原発いらん!草津(滋賀)デモ 2011年4月23日(土)

【日時.場所】 2011年4月23日(土)
 13:30 JR草津駅東口2階デッキ 集合
 14:00 デモ出発(雨天決行)
 (草津駅西口から草津エイスクエアをぐるっと一周して駅に戻る)
【主催】 「原発いらん!草津(滋賀)デモ」実行有志
【連絡先】 077-565-3260(いないときも多いです)
 njrbf977[@]ybb.ne.jp(ほりいけ)
★ 自作プラカード、鳴り物(楽器)などぜひ持ち寄って下さい!
にぎやかに歩きましょう。

放射性物質が怖い。
ヨウ素131、ストロンチウム90、セシウム137などなど。
見えないけどそこにあって放射線を出している。今まで自然界になかった
これらの放射性物質は少量でも体内に取り込まれれば、人の代謝に紛れ
込んで濃縮され、細胞を遺伝子を傷つける。すると癌ができやすくなる。
特に赤ちゃんやこどもは同じ量でもおとなの何倍も影響を受ける。だから、
これ以下なら大丈夫なんてことはない。

こんな放射性物質が今回の福島第1原発の事故で大量に空気中に海に
土に水に撒き散らされた。作物も、家畜も海産物も汚染された。しかもまだ、
事故は進行中でまだどんどん放射性物質は出てくるし事故が収束するまで
何年も私たちは不安にさらされる。悪夢というしかない。

でも、日本には沖縄を除く全域に原発があと50基以上あって、これらもいつ
地震に津波にやられるか、 事故を起こすかわからない。滋賀のお隣、
若狭にも10基以上の原発がある。もし、これらが事故を起こして 大量の
放射性物質を出せば、滋賀の田畑も川も琵琶湖も汚染される。私たちの
生活が破壊される。

それだけじゃない。これらの原発は事故がなくても、動き始めてから今日まで
ずっと原発で働く労働者を、燃料であるウランの採掘労働者を被爆させ、
かれらの健康を害してきた。

ただでさえ過疎に苦しんでいた地域に大都市用に電気を作るために危険な
原発が押し付けられた。今回、福島周辺は実際に放射性物質に汚染され、
何万人の人が故郷を追われ、さらに多くの人が生活にダメージを与えられた。

こうして私たちは原発の被害をより弱い人たちに押し付けてきた。そして、
その現実を見ようとしなかった。知ろうとしなかった。

もうたくさんだ。もうこれ以上、人に被害を押し付けたくないし、自分も被害に
合いたくない。だから、できるだけ早くすべての原発をとめたい。

その思いを実現するために路上に出て声を上げようと思います。

あなたも一緒にたまった思いを吐き出してみませんか?ぜひ一緒に草津の
まちをにぎやかに歩きましょう。

*****

4.30渋谷・原宿

4・30 脱原発デモ@渋谷・原宿

★参加・賛同頂く方は、こちらのツイートを公式RTしてください。
★こちらで皆さんの参加・賛同状況を見ることができます。

【日時】
2011年4月30日(土曜日)
午後13:30集合開始
午後14:00出発

【主催】
4.30 脱原発デモ@渋谷を実行するTwitter有志一同

【集合場所】
代々木公園ケヤキ並木南側
(渋谷から公園通りを上りきってNHKとマッスルシアターの間の広いエリア)
住所:東京都渋谷区神南2丁目1
→ Google Map

【コース】
代々木公園ケヤキ並木南側出発 → 公園通り下る → 神南1丁目交差点を
右折 → 渋谷駅前交差点を左折 → 宮益坂下交差点を左折 → 明治通りを
歩く → 神南前交差点を左折 → 神宮橋交差点を左折 → 代々木公園ケヤキ
並木北側で流れ解散

【呼びかけ文】

4月30日、渋谷にて、全ての原子力発電所のできるだけ早い停止と、「原発を
使わない社会」への転換を求めるデモを行います。

このデモはTwitter上で見ず知らずの有志によって組織されたものであり、
発案者による一つのツイートを公式リツイートして頂くという形で、現在
890名以上の皆さんの参加表明を得ています。

全ての原発を止めることになれば、多かれ少なかれ、私たちの社会や
生活には変化が生じるでしょう。
しかし多くの人が、あえてその変化を引き受けて、「原発の危険にさら
される社会」を終わらせたいと考え始めています。

そのことを意思表示できる場になるよう、現在準備を進めているところです。
参加される方は、各自でプラカードや垂れ幕、楽器などを各自ご持参ください。
もちろん手ぶらでの参加もOKです。

先月までデモに参加したことがなかった人間が呼びかけ、今までデモに
参加したことがない人も参加できるようにと企画したデモです。
至らぬ点は多々あるかと思いますが、よろしくお願いします。

4.30 脱原発デモ@渋谷を実行するTwitter有志一同

【賛同メッセージ】
賛同してくださる方は、1.お名前 2.肩書き 3.賛同コメントをご記入頂き、
以下のメールアドレスまで、メッセージをお寄せください。
nonukesshibuya@live.jp
お寄せいただいたコメントは、この欄に掲載させて頂く場合があります。

【プラカード】
※現在準備中です。

*****
5.1仙台

反原発集会とデモのお知らせ

原子力発電に反対する集会とデモ in 仙台
今回の地震により福島原発は大きな損害を受け、放射性物質が放出される
事態となりました。国際的な基準による事故の評価は最悪の「レベル7」となり、
多くの影響が予想されています。原子力発電所は、平常稼働時でも放射性
廃棄物を生み出し、事故が起これば多量の放射性物質を放出します。これは、
自然環境や人の生にとって大きな脅威です。宮城県には女川原発があり、
また、青森県には原発からの使用済み核燃料を処理するための六ヶ所
再処理工場があります。このような危険な原発やその関連施設を止める声を
上げるため、集会とデモ行進を行います。ぜひご参加下さい。

●日時 5/1(日)14:00から集会開始 荒天時中止
●集会場所 肴町公園(仙台市青葉区国分町、一番町アーケード ロイヤル
ホストを西に入る)
  地図 http://tinyurl.com/3cpfkrc
●よろしければプラカードや楽器を持参して下さい。コスプレも歓迎。
●手伝って頂ける方を募集しています。連絡先にあるメールアドレスに
ご連絡下さい。
●連絡先
 仙台プレカリアート労働組合(準備会)
 http://tokiminori.under.jp/wp/
Tel: 070-6689-3052  sendaipurekari@gmail.com
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明日に向けて(60)脱原発のさまざまな動きが加速中・・・イタリア、アメリカ、そして日本で

2011年04月20日 17時30分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110420 17:30)

このところ、世界中で、また国内のいたるところで、脱原発の動きが加速しつつ
あります。

まずイタリア政府が、「原発再開に関する議論を無期限で凍結することを
上院に伝えた」という報道が入ってきました。
イタリアでは6月に、原発の是非を問う国民投票が行われようとしているの
ですが、敗北必至とみたイタリア政府が、早々と断念を表明したようです。

またアメリカで、日本の東芝が、はじめて単独で受注していた原発建設
計画が事実上の断念に追い込まれました。これはアメリカでの脱原発の
動きの一歩となるともに、日本にとっても原発輸出の道が閉ざされていく
一歩であり、貴重な動きだと思います。

さらに私たちの国の中でも、菅首相が、18日に原発増設計画を凍結し、
エネルギー政策を見直すことを明らかにしました。これは評価したい
動きですね。
枝野官房長官も、岡田民主党幹事長も、これに同調し、「党内でも原子力
政策の見直し論議を進める考えを示した」と報じられています。


福島原発の現状は、依然、二重三重にシリアスであり、被ばくの拡大に
身構え続けなければなりませんが、世界で、また日本の中でも、脱原発の
動きが進みだしていることは明るい展望です。

私たち自身がより大きく声をあげて、この展望をさらに大きくして
いきたいものです。

******************************
福島第1原発:伊が原発再開を断念 国民投票前に反対強く

2011年4月19日 23時40分(最終更新 4月20日 1時05分) 毎日新聞 
 イタリア政府は19日、同国の原発再開に関する議論を無期限で凍結する
ことを上院に伝えた。これまでは凍結期間を1年間としており、事実上の再開
断念。福島第1原発の事故を受けて最近の世論調査では反対が7割近くに
達し、再開の是非を問う6月の国民投票での敗北は避けられないと判断したと
みられる。

 これで6月12、13日に予定されていた国民投票は実施されない公算が
大きくなった。政府は3月23日、原発再開の候補地選定などについて
1年間、議論を凍結することを決めていた。

 レプブリカ紙(電子版)によると、野党民主党のベルサニ書記長は「国民の
勝利だ。原発再開は日本の事故の以前から明らかにばかげた計画だった」
と歓迎した。

 イタリアは旧ソ連のチェルノブイリ原発事故を受けて1987年に国民投票
で原発廃止を決定した。しかしエネルギー需要の8割以上を輸入に頼って
いることから、ベルルスコーニ政権は再開方針を表明。ことし1月、憲法
裁判所が野党の求めに応じて国民投票実施を認める判断を下した。(共同)
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110420k0000m030153000c.html

国内初の原発単独受注、米側が事実上の計画断念

2011年4月20日14時51分 読売新聞
 【ニューヨーク=小谷野太郎】米電力大手NRGエナジーは19日、東芝と
提携し、米テキサス州で予定していた原子力発電所の増設計画について、
追加投資を打ち切ると発表した。

 事実上、計画断念を表明したもので、東芝が国内メーカーとして初めて単独
受注した原発建設の実現が難しくなった。日本が官民一体で推進している
プラント輸出にも、打撃となるのは確実だ。

 NRGと東芝は2008年2月に合弁会社を設立し、同州にある「サウス・
テキサス・プロジェクト原発」に3、4号機の2基(総出力計270万キロ・ワット級)
を増設する計画だった。東京電力も最大1億5500万ドル(約128億円)
を出資することで昨年、合意した。

 しかし、福島第一原発の深刻な事故を受け、計画を取り巻く環境が一変。
事故の対応に追われる東電が、海外投資を凍結する方針を出したほか、
米政府も原発の安全性を包括的に見直す方針を表明していた。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110420-OYT1T00563.htm?from=navr

首相、原発増設の凍結示唆 具体策は示さず

2011年4月18日20時32分 朝日新聞
 菅直人首相は18日の参院予算委員会で、今後の原子力政策について
「安全性をきちんと確かめることを抜きにして、これまでの計画をそのまま
続けることにはならない」と答弁した。原発の新増設計画の凍結もあり得る
との発言だが、具体的な道筋は示されていない。

 首相はこの日の答弁で「(福島第一原発事故が)ある一定の収束段階が
来たときには、白紙からの検証をしなければならない」と指摘。新増設計画を
念頭に「何か決まっているからそのままやるんだということにはならない」と
語った。

 政権中枢も首相に同調する。枝野幸男官房長官は18日の記者会見で
首相の発言の真意を問われ、「普通、白紙で検討する、と言ったらまさに
白紙ではないか」。民主党の岡田克也幹事長も会見で「総理のご発言を受けて
党の検討体制を考えなければいけない」と語り、党内でも原子力政策の
見直し論議を進める考えを示した。

 政府は昨年6月に閣議決定したエネルギー基本計画で、現在54基ある
原発を2030年までに14基以上増やすと決めている。ただ福島第一原発の
事故をきっかけに、政権内でもこの計画に慎重論が出ている。

 首相は先月31日、共産党の志位和夫委員長との会談で「見直しを含めて
検討したい」と発言。同日のサルコジ仏大統領との会談後の共同会見でも
「原子力、エネルギー政策は事故の検証を踏まえ、改めて議論する必要が
ある」としていた。

 ただ、首相が新増設計画の是非の判断の前提に挙げる「徹底した検証」の
内容ははっきりしない。18日の参院予算委で「核燃料サイクルの問題を含め、
必ずしもしっかりした体制がとれていない中で使用済み燃料が(原発内に)
保管されていたことも検証しなければいけない」と語ったが、核燃料サイクルの
どこをどう問題視しているのかは明確にしなかった。

 原発に代わる代替エネルギーについても「現在のところ水力をのぞくクリーン
・エネルギーはまだ数%のシェアしか占めていない」と述べたが、それ以上は
踏み込まなかった。

 政権内では検証はどんな体制でいつから始め、何をテーマにするかも議論
されておらず、「じっくり検討せず、自分の思いを言ってしまっている」
(官邸スタッフ)との声も出ている。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104180409.html
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明日に向けて(59)工程表の座礁→被ばく許容値の大幅緩和?

2011年04月20日 16時30分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110420 16:30)

東電が17日に発表した「工程表」が座礁しつつあり、さすがにマスコミ
各紙からも、実現性がないのではといぶかる論調が増えていますが、
こうした中で、大変、気になるニュースが入ってきました。

工程表に記された作業の行く手を阻む、高い線量の放射線を前にして、
原発作業員の被ばく許容値をさらに緩和させようというものです。
すでに作業員の被ばく許容量は、非常時に限った100ミリシーベルトの
上限が、250ミリシーベルトに変えられていますが、さらにそれすらも
変えてしまおうというものです。

この点については、今のところ日テレニュース24のみが報じており、
こうした論調が本当に高まっているのかどうか、もう少し諸ニュースを
見極める必要があるとも感じていますが、実際にこうした動きがあると
するならば、けして見過ごすことはできない事態です。


この一連の事態を記事に即してみていきましょう。すでに概略は紹介した
ことですが、16日に作業員が、今後の作業の行方を探るために、事故後
初めて原子炉建屋内に入り、放射線量を測定しました。すると1号機で
1時間当たり、270ミリシーベルトもの放射線が観測された。とても人間が
入って作業できる環境ではないことが明らかになったのです。

さらに17日には、米国製のロボットを使った計測も行われました。この
ときも1号機と3号機で、1時間当たり50ミリシーベルト前後の放射線が
観測された。5時間いれば、現在の緩められた被ばく許容値の250ミリに
達してしまう。平時の作業員の許容値50ミリシーベルトには1時間で
達してしまいます。

さらに建屋内は高温の蒸気がまん延していること。このためゴーグルが
曇って何も見えなくなるとか、暑くて息苦しい点でも作業に不向きなことが
明らかになったことが、他の報道で伝えられています。とても工程表の
通りに作業できる環境ではないのです。


しかしここでもまた新たな疑問が生まれます。そもそも1号機で270ミリ
シーベルトが観測されたのは16日、さらにロボット投入は17日に
行われている。それでなぜ、工程表が17日に公表されたのかという
ことです。

考えられるのは、こうした現場の実態の調査と、工程表はまったくリンク
していないということです。つまり、この工程表は現実に即した調査に
即していない。科学的な論拠にたっていないものだということです。
そうでなければ、なぜ工程表の発表時に、ロボット投入がなされているの
でしょうか。先に結論ありきで、その展望を調べるために、ロボットが
投入されたことは明らかです。そのため16日の計測値や、ロボットが
観測してきたことが、工程表の発表の後になされることになったわけです。

そして実態調査から出てきた結論が、政治的に決められたスケジュールを
現実化するためには、作業員の被ばく量を大幅に緩和するしかないと
なっていると思われます。現実にやれるかどうかを調査して、工程表が
出されたのではなく、反対に、やるべき目標が任意に決められ、それに
合わせて被ばく量が決められようとしているのではないか。このような形で
決められた工程表に作業員の方たちが従わさせられてよいはずがないです。


またこのことから、この工程表は、今後の水素爆発の阻止のための
窒素封入、水棺といわれる世界初の事故収束方式の適用など、さまざまな
点でもまた、十分に科学的な洞察と調査を踏まえた判断に基づいている
のではなく、政治的必要性から優先されたスケジュールに基づいて実施され
ようとしていることが想像できますが、それは非常に危険なことです。

こう考えると、原子力安全委員会が、即座に「『相当のバリアがある』と述べ、
実施には困難が伴うとの認識を示した」理由も見えてきます。おそらく
安全委員会は、工程表の作成過程からはずされてしまったのでしょう。
その上で、とてもこんなものには付き合いきれないと、即座に、否定声明を
出したのだと思われます。


工程表を出すことで、事態の収束への道筋が見えたのではなく、むしろ
人為的危機が増加してしまったのではないでしょうか。政府内の亀裂が
生じるほどに。そうした最悪の流れの中で、作業をされている方たちの
人権がさらに踏みにじられつつあるように僕には思われます。


これに対して、作業員の安全を守る観点と貫くことの方が、現場の実態を
明らかにすることにつながり、結果として、事故収束の科学的な可能性も
広げるのではないかと思えます。

こうした観点からのウォッチと、必要に応じた告発に力を注ぎたいと思います。

****************************

高線量、大幅に作業制約 1号機建屋、1時間で被曝上限

2011年4月18日13時5分 朝日新聞
 福島第一原発の原子炉建屋で高い放射線量が計測された。特に1号機では
出入り口の扉ごしに毎時270ミリシーベルトあり、作業が一切できなくなる
作業員の被曝(ひばく)線量の上限(計250ミリシーベルト)をわずか1時間で
超える値だった。原子炉建屋内の計測は事故後初めて。人間が作業する
には極めて厳しい環境だと分かった。

 作業員が16日に、1~3号機でタービン建屋から原子炉建屋に入るための
二重扉付近に立ち入り、じかに放射線量を測った。

 東京電力によると、最初の扉を開けて入った1畳ほどの小部屋の線量は、
1号機で最大で毎時270ミリシーベルトだった。2号機は12ミリシーベルト、
3号機は10ミリシーベルト。作業員は扉の陰に隠れながら計測したという。

 今回の事故の作業のため、厚生労働省と経済産業省は作業員の緊急時
の被曝線量限度を計100ミリシーベルトから計250ミリシーベルトに引き
上げた。明確な定義はないが上限を超えると数年は作業ができなくなると
みられ、原子炉建屋内での1人当たりの作業時間は大幅に制限される
見込みだ。通常の原発作業の被曝線量の上限は年間50ミリシーベルト。

 今回計測した場所の奥には、原子炉建屋に入る厚さ約20センチの鋼鉄製の
扉がもう一つある。扉の向こうの放射線量は、今回の計測値よりも高いと
見られている。

 また、東電は17日、米国製の遠隔操作ロボットを原子炉建屋に入れて
放射線や温度を測った。1号機では今回の計測よりも北側にある別の
二重扉から入り、暫定値ながら最大毎時49ミリシーベルトだった。3号機は
同57ミリシーベルトだった。いずれも通常では放射線はまず検出されない
場所だが、約5時間で緊急時の被曝線量の上限を上回る高い値を示した。

 1号機は原子炉内の核燃料の破損の度合いが全体の70%とみられ、
2号機(30%)や3号機(25%)と比べて激しい。破損した核燃料から発生
した水素による爆発で、壊れた配管などから高濃度の放射能汚染水が
漏れ出ている可能性がある。

 原子炉を安定的に冷やすには、大量の水が循環する冷却系の再構築が
欠かせない。原子炉建屋内にある機器や配管の修理や、配管を仮設ポンプ
につなぎ直す工事が必要になる可能性が高い。

 今後、ロボットが調べた原子炉建屋内の放射線量や映像などを詳しく
分析。どの付近の放射線量が高いのかや、配管が破れていないかなどを
確認する。原子炉を安全に停止するのに6~9カ月かかるとする工程表の
実現に向け、作業内容が練られる。(東山正宜)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104180079.html


作業員の被ばく線量、さらなる引き上げ検討
2011年4月18日 23:22  日テレニュース24

 福島第一原子力発電所事故の安定化に向け、政府が作業員の年間被ばく
量の上限を、現在の250ミリシーベルトよりさらに上げることを検討している
ことがわかった。

 原子力発電所の作業員に認められる放射線量の限度は年間100ミリ
シーベルトだが、今回の事故に限り、250ミリシーベルトまで引き上げ
られている。政府関係者によると、十分な作業員の数の確保が難しくなって
いることや、原子炉建屋内の放射線量が高く、今回引き上げた250ミリ
シーベルトの上限では原子炉の安定化に向けたロードマップの実現に
追いつかないことから、上限の引き上げを検討しているという。

 国際基準では、緊急作業の場合は年間500ミリシーベルトまで認められて
いるが、今後どこまで引き上げることになるのかは決まっていない。作業員の
健康不安や世論の動向などを見据えながら、引き上げの時期や方法に
ついても慎重に検討するという。

 原子力発電所内部の作業は、労働環境の厳しさに加えて、技能と経験が
必要とされるため、作業員の人数の確保が大きな課題となっている。
http://www.news24.jp/articles/2011/04/18/06181199.html
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明日に向けて(58) 地下水の放射能汚染が進んでいる・・・

2011年04月20日 07時00分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日

守田です。(20110420 07:00)

放射能による地下水汚染が進行しています・・・。


3月11日による事故以降、福島原発は非常に危機的な状態になり、水素爆発や、圧力抑制室の損傷、燃料プールの水位低下、危機回避のためのベントの連発などにより、大量の放射能が大気の中に流れ出しました。

放出された放射能は、ほとんど数日で、チェルノブイリ原発事故での放出量の少なく見積もって1割に達し、近郊の村や町を汚染し、一部は東京へも流れていきました。

しかし世界の人々には申し訳ないことですが、この国に住んでいる人々には幸いなことに、大気中に流れた放射能の多くは、風に乗って、太平洋上空へと流れていき、そのまま世界中に拡散されました。

その後、燃料プールの水位低下を回復するために放水が開始されました。むき出しになった炉心にも、緊急冷却のために海水が投じられ、大掛かりな冷却作戦が始まりました。

このことにより、大気中に飛散する放射能の量が抑えられはじめた。炉内で進行していた溶融も、止めることができたか、そのスピードを遅らせることには成功しているのではないかと思われています。

ところが炉内に投じられた水が、次々とどこからか漏れてくるようになった。
いわば炉内を水で洗い流すかのように、核分裂生成物が次々と流れ出してきた。非常に高い濃度の汚染水が溜まりだしました。

燃料プール目指して行われている放水も、周辺に飛び散った放射能を洗い流すことに結果しました。あるいは燃料プール自身が漏れているとも考えられここからも汚染水が落ちるようになった。

こうして原発周辺は、国の基準値の何万倍、何百万倍、ときに何億倍もの放射能汚染水に取り巻かれ、その一部が海に流れ込みだした。また原発敷地の下の地下水にも染み込みだした。

政府はその一部をタンクに収納しましたが、次々と出てくる汚染水の濃度があまりに高いために、「低レベル」の汚染水の海洋への自主的投棄すら始めた。周辺国が驚き、一斉に非難の声をあげました。

およそこのような過程を経て、海洋の深刻な汚染が進み、同時に地下水の汚染も進んできました。どれだけの量が流れ出したのか、またどれだけの物質が出て行ったのかは分からないだけに不気味です。


さて、このように汚染が大気から海洋や地下水に移ったことで、一たび私たちは頭上から放射能が降ってくる恐怖から解き放たれました。空気中の放射線量は、多少の上がり下がりは経ながら、だんだんに落ちて来ている。

これとともに、人々は原発が危機を脱したかのように感じ、(最初から危機を感じない人々もいましたが)深刻な汚染に見舞われ、避難を余儀なくされた近郊の人々をのぞいて、生活に平穏が取り戻されだしました。

一時期は飲み水までに達した放射能汚染は、過去のものになったような感覚が首都圏を覆いつつあり、いわんや原発の破局的危機はもはやありえないことと受け取られだしています。


本当にそうなのでしょうか。残念ながら、そうではないと僕は思う。

僕がもっとも危惧しているのは、空中に飛び出そうとしている放射能に水がかけられ、地面に落され、海へ、地下水へと流れが変わったことにより、実は大気の中に拡散しているよりも、より近場に放射能が落とされたという点です。

大気の汚染も怖いですが、先ほども述べたように初期的に飛び出した高濃度の放射能は、多くが太平洋上へと流れ出して、日本列島を遠く離れて行った。しかし水によって封じられたものはどうでしょうか。

何があっても「安全」を繰り返す人々は、海に拡散していくと言います。確かに一部は拡散するかもしれない。しかし大気のように拡散するでしょうか。そうではなくて、多くが動植物に取り込まれ、近海にとどまるのではないか。

あるいは海から色々な形で戻ってくるのではないか。海岸線は普段でも塩害が起こり続けています。潮が陸地に上がってくるのです。同じことが放射能でもありうるのではないか。放射能が、浜に打ち上げられてくるのではないか。

さらに地下水に入り込んでいった放射能はどうなるのか。地下から海に流れ出すのではないか。一方で海に流れ込まず、地下で広がっていくのではないか。そしてそれがわき水となって戻ってくるのではないか。

水をかぶり、近場に落とされたが故に、放射能は私たちのそばに存在しているのです。だから今後、色々な形をとって戻ってくることが考えられる。今はそれまでの一時的な汚染の安定期とでも呼べるものなのかもしれません。


この点で注目すべき記事が朝日新聞に掲載されたので紹介します。
産総研による地下汚染の解析ですが、そこには「敷地内に大量にまき散らされた放射性物質が地中に入っても、地下深くには浸透せず、地下水とともに5~10年ほどで海に流れ出るとみられる」と書かれている。

一方で、「ただ、30キロ圏の境では一部の地下水が南側と西側から圏外に流れ出る結果となった。この地域の土壌が汚染されていた場合、内陸部の水源に影響する可能性も否定できない」とも書かれています。

地下水は、表面に現れることなく、そのまま海に流れ出している場合があります。一つにはこの経路を辿って放射能が海に流れていく。しかも5年から10年というスパンで流れ込む。汚染が長期間化するのです。これが怖い。

しかし記事によく注目してみると、この点は、地下水があまり汚染されないことにフォーカスして書かれています。あたかも「大丈夫だ、海に出るので地下まで浸透しない」と書かれているようです。

それに続いて、「ただ、30キロ圏の境では」と続いて、南側と西側で内陸部の水源への影響が出始めている可能性が書かれています。そうなれば汚染は地下深くに浸透し、地中深いところで進んでいく可能性がある。

一方、この記事の下に、地下水の汚染が深まっていることを論じた二つの記事を紹介してあります。それらを読むと、むしろ汚染水が、海に流れ出すことの方が心配されている。この時期は海洋汚染が主要な話題だったからです。

ここに見られるように、地下に入り込んだ汚染水は、海に流れても、地下に浸透していっても大変深刻なのです。海の場合は、地表から流れ込むものよりも、ゆっくり、長く出てくることになる。10年近く、汚染水が海に出ていく。

一方、内陸部に浸透していく地下水汚染は、恐らく、思いもよらぬ地域で突然、地表に現れてくるのではないか。そのとき作物の汚染が連動することが懸念されます。水を使ったさまざまな産業への影響が懸念されます。

私たちは、海洋汚染と、地下水汚染に対して身構えなければならない。
何が起こるかを予想し、その場合、何ができるかを考えなくてはいけない。
危険の認知こそが、私たちの安全の可能性を高める第一歩なのです。

・・・海洋汚染と地下水汚染のウォッチを続けます。


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放射能汚染水、地下深くには浸透せず 産総研が流れ解析
2011年4月18日22時42分 朝日新聞

 産総研地下水研究グループは、これまでに調査されている地層や井戸などの「情報をもとに、地下水の流れをシミュレーションした。
 研究グループによると、福島第一原発周辺は、砂利や砂などが積もった厚さ5メートルほどの堆積(たいせき)物があり、その下層には水を通しにくい厚さ約20メートルほどの泥岩層がある。敷地内に大量にまき散らされた放射性物質が地中に入っても、地下深くには浸透せず、地下水とともに5~10年ほどで海に流れ出るとみられる。

 原発から30キロ圏内でも、地下水の大部分が阿武隈山地から海に流れていることが分かった。ただ、30キロ圏の境では一部の地下水が南側と西側から圏外に流れ出る結果となった。この地域の土壌が汚染されていた場合、内陸部の水源に影響する可能性も否定できないという。

 30キロ圏内外とも放射性物質による汚染は地表から数メートルの表層に限定されるため、深い井戸を掘れば安全な地下水が得られ、復興のための工業用水などに使うことは可能だという。研究グループは、今週にも30キロ
圏内からの地下水が圏外で実際にどう流れているかの調査を始める。
http://www.asahi.com/national/update/0418/TKY201104180467.html


福島第1原発:地下水汚染7日間で10倍 1・2号機

2011年4月15日 11時19分(最終更新 4月15日 12時02分)毎日新聞 
 東京電力は14日夜、福島第1原発1、2号機のタービン建屋付近にたまった地下水中の放射性物質の濃度が、1週間で10倍前後に増えていることを明らかにした。この水を意図的に放出してはいないが、「海側に漏れている可能性も否定できない」と説明している。

 地下水は、通常は「サブドレイン」と呼ばれる水はけ用の井戸のようなものにたまる。東電が13日に採水して調べたところ、2号機の地下水1立方センチ当たりのヨウ素131の濃度が前回6日の調査に比べ約17倍の610ベクレル、セシウム134は同約8倍の7・9ベクレルが検出されるなど、1、2号機の地下水で10倍前後の濃度に高まっていた。通常、この地下水から放射性物質が検出されることはない。汚染源について東電は、原子炉からの放射能を含む空気のベント(放出)の影響か、タービン地下やトレンチのたまり水がひび割れから漏れている可能性も否定できないが、現段階では不明と説明している。

 経済産業省原子力安全・保安院は、監視を強化するように指示。これを受けて東電は、採水調査頻度を週1回から3回にする。【大島秀利、大場弘行】
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110415k0000e040028000c.html


1号機の地下水も基準の1万倍ヨウ素 汚染拡大を裏付け

2011.4.1 09:22 産経ニュース
 福島第1原発事故で東京電力は3月31日、1号機のタービン建屋付近の地下水から、敷地境界で設定されている基準の約1万倍の放射性ヨウ素が検出されたと発表した。地下水で放射性物質が確認されたのは初めて。汚染の拡大があらためて裏付けられた。

 東電は「非常に高い値と認識している。(地下経由で)海に流出した可能性は否定できない」とした。汚染の原因については「地面に降り注いだ放射性ヨウ素が雨水で地中にしみこんだ可能性が高い」と説明している。

 東電は通常、建屋の地盤が緩むのを防ぐため、余分な地下水を各号機の地下15メートルからくみ上げる「サブドレーン」と呼ばれる設備で海に排水しているが、事故発生後は停電でポンプが使えず、中止している。
調査した水はサブドレーンから30日午前に採取した。普段の放射性物質の濃度は、計器で測定できない程度の低水準という。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110331/dst11033123500092-n1.htm

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