明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(75) 原発周辺の放射線量予測公表される・・・内部被ばくは未考慮

2011年04月26日 23時30分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110426 23:30)

文部科学省より、原発周辺の汚染状況の1年後の予想値が発表されました。

記事に加えられた表にはかなりショッキングな数値が書き込まれています。
例えば浪江町赤宇字木椚平(北西24キロ)では235.4ミリシーベルト、31キロ
離れた赤宇字木石小屋でも188.6ミリシーベルトもあります。
飯館村では、長泥(北西33キロ)で61.7ミリシーベルト。草野大師堂(北西39キロ)
で34.8ミリシーベルトもある。

これらは「計画的避難区域」ですが、こうした避難対象に入らない地域でも
高い放射線被ばくが予想されている。南相馬市原町区大原台町(北北西30キロ)
で15.6ミリシーベルト。福島市大波滝ノ入(北西56キロ)で10.6ミリシーベルトです。

ただしここで注意しなければならないのは、これは空間線量による被ばく量の
予想でしかないことです。つまり外部被ばくの予想値です。しかしこれだけの
放射線が飛び交っているのは、それを出す、放射性物質そのものが、
周辺にたくさん存在していることを意味します。それを呼吸等々で取り入れて
しまえば内部被ばくが発生する。

しかしこうした場所では、原発内の労働のときのように極めて厳重な被ばく対策を
取っていない限り、大気中に待っている放射能がついたほこりやちりを、呼吸時に
飲み込む可能性が極めて高い。いやその原発内の労働でも、たびたび体内
被ばくは起こっていると推測されています。
そのためこれだけの放射線量を外部被ばくで浴びるときには、同時に
放射性物質を体内に取り込んでしまう可能性が極めて高いのです。

そのため被ばく量ももっとずっと大きくなるし、身体に与える影響も、より深刻に
なります。僕は過去にとりあえずの大雑把な計算として3倍は見積もった方が
いいと書きました。もっと正確な推論が出来る方はぜひ教えて欲しいですが、
それらを考えると、235.4ミリシーベルトという予想値が出ている浪江町の一部は、
立ち入りを戒めるべき、極めて危険な地域になってしまっていることを知る
必要があります。

さらに、この予想値は、「現在の水準で放出が続いた場合」のものです。つまり、
ここには今後、窒素封入によって、格納容器から押し出されてくる可能性の
ある放射能は、含まれていません。従って、実際にはもっと高い値になる
可能性があるし、実際に2号機、3号機に窒素封入が行われるときには
警戒心を持ってのぞむことが問われます。

この点について、とくに「みちのく応援隊」など、近くでボランティア活動されている
方々、これから入ろうとしている方々に、厳重に注意をしていただきたいです。
ぜひこの記事に載っている各地の累積線量を把握し、独自に地図など作成して、
近づいてはならない地域をマップ上で図示しながら行動されるようにしてください。


***********************

福島第1原発:汚染予測を公表 累積線量が浪江町で高い値

2011年4月26日 21時14分 更新:4月26日 22時0分
 文部科学省は26日、東京電力福島第1原発から放出される放射性物質に
よる周辺の汚染状況を予測したデータを公表した。現在の水準で放出が
続いた場合、来年3月11日までの1年間の予想累積線量は、福島県浪江町
赤宇木椚平(原発の北西24キロ、計画的避難区域)で235.4ミリシーベルトに
上った。福島市や福島県南相馬市でも、一般人の人工被ばくの年間限度量
(1ミリシーベルト)の10倍に当たる10ミリシーベルトを超えると推定している。

 作製には、文科省が日常的なモニタリングを実施している測定地点
(2138カ所)のデータを使った。地震翌日の3月12日から4月21日までの
実測値を足し合わせた累積線量に加え、4月22日の線量がこれからも
続くと仮定して来年3月11日までの累積線量を算出。各地点では、1日のうち
8時間を屋外、16時間は木造家屋の中で過ごすとした。木造家屋は屋外に
比べて被ばく量が4割低いという前提だ。

 その結果、原発の北西方向を中心に高い累積線量が予想された。政府は、
原発の半径20キロ圏外で、年間累積被ばく線量が20ミリシーベルトに
達すると見込まれる地域を「計画的避難区域」に指定したが、同区域内では
浪江町、飯舘村、川俣町などの10地点で20ミリシーベルトを超えると
推測された。一方、現在は指定されていない同県伊達市霊山町(原発の
北西48キロ)で年間21.2ミリシーベルトと予測された。

 同省は、計画的避難区域を指定した今月11日にも同様の予想地図を
公表している。その後のデータ更新により、「年間20ミリシーベルト」の範囲は
やや狭まっているという。

 今後、データや気象条件を更新し、月2回の頻度で公表する予定。内閣府
原子力安全委員会は「引き続き天候などを考慮して線量の推移を監視して
いく必要がある」としている。

 また同省は今月24日時点の空間線量の測定地図を公表した。今後、土壌の
汚染に関する地図も公表する予定だ。【関東晋慈】
http://mainichi.jp/select/today/news/20110427k0000m040129000c.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(74) 気仙沼からの便り・・・その8

2011年04月26日 22時00分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110426 22:00)

みなさま。今日はチェルノブイリ事故25周年の日ですね。この日のことを
再び心に刻み、フクシマの今と向き合っていきたいと思います。

今回は気仙沼アビスさんからの便りを紹介します.
一つは物資到着へのお礼です。なお僕からの入金について、4月9日に託されたものが、
4月20日に入金となっていますが、これはアビスさんが新しく口座を作ることを決意された
ために、連絡を取り合って、そこに振り込もうということになり、口座開設を
待ったためのタイムラグです。事後報告ですみません。

さてその次に昨日のお昼に出されているメールは、アビスさんより、緊急の物資
要請として発信されたもの。血圧計等々の依頼です。

すると着信後20分に、京都の山水人(やまうと)の祖牛さんが、これに応接。
すぐに血圧計を買いにいき、夕方に発送、なんと今日の午後4時には気仙沼に
届き、必要とされている方に届いたそうです!素晴らしい連携ですね。拍手です!

僕などは、至急という願いの拡散も間に合いませんでした・・・。
なんだかわくわくする一件でした。


************************

気仙沼のアビスさんから

4月25日午前5時23分

あわただしかった、個人的国際親善を終え、
非日常的な日常に舞い戻り、
ちょっと溜め込んでいた、
皆さんから頂いた荷物を今日仕分けしました。

被災して、家を流された親戚夫婦が、
二人の子供と、同じアパートの子を連れて来て、
それから、気仙沼のReggaeBandの、ドラマーのマサヤと、
我が家に、石巻でのボランティアを終え、
気仙沼の手伝いをしに、やって来てくれた、
元、屋久島に住んでいたカリンバ作りをしている、
コウスケさんとで、仕分けしました。

明日は、ワラビに備えて裏庭の草刈をし、
午後は、鯉のぼり協会のギフトの件を広めに、
気仙沼の南のほうへ、行って見ようと思います。

水曜に、秋田のYanatyと合流して、
岩手と宮城の県境に、物資を届けに行こうと、思ってます。

4月24日現在、届いた荷物は、水曜日に、届けさせて
いただきます。

できれば、届けた時の被災され荷物を受け取ってくれる方々の
笑顔を、お返しに届けたいのですが、、、、。

同じところばかりに届ける事が少ないため、
始めて行く所が多いせいで、
被災された方の心情を考慮すると、
なかなか、カメラを向ける気には、なりません。

でも、震災から時間が過ぎてきて、
もうそろそろいいかなぁとも、思ってます。


それから、会計報告です。
これまで、送ってきてくれた荷物に、
カンパを入れてくれた方が、10人いらしゃいます。

合計金額で、
9万3千円となりました。
誠にありがとうございます。

その方々の、氏名と金額は、記録してありますが、
今回は、合計金額の報告だけにさせていただきます。

氏名の公開とか、内訳の公開とかどのようにすればいいのか、
迷ってます。
皆さんのご意見を聞かせてください。

それから、キャンプしていたアメリカ人からも、
3回に分け、合計1万円、いただきました。
このお金は、個人的にもらっておこうと、思ってます。

それから、
4月20日に、守田さんより、
¥33,422  振り込んでいただきました。
4月9日に、アタック京都主催の、講演会のときの
入場カンパマイナス経費の全額だそうです。

これで、アメリカ人に頂いた1万円を除き、
¥126,422となりました。

まことのみなさまのおかげです。
本当に、ありがとうございます。

***

4月25日12時04分

今回、仕事中、鹿折地区
(気仙沼の被災地の写真で、大きな船が駅前に乗り上げていた所。)で
被災し、逃げ込んだビルは、
一晩中、迫り来る火事の恐怖に晒された経験をした、
気仙沼のReggaeBand「ちょす」のボーカルのたまちゃんが、
(俺のマイミクで、たま子と言う名で出ています。)
社会福祉協議会の介護保険事業の在宅支援をしています。

彼女が働く事務所は、跡形も無く流されました。
当然、介護に使う医療道具も流されてしまったのです。

今、彼女は避難所に世話にならずに、
在宅で待機しているお年寄りのケアーを、しているそうです。
しかし、訪問診察の形態で、ケアーしているのですが、
その時に使う医療道具が不足しているそうです。

いろいろ不足があるそうですが、
さしあたって、
血圧計(アネロイド形が、ベストだそうです。)が、ほしいそうです。
旧式のものでも、中古でも結構です。
旧式なものなら、いっしょに、
聴診器もほしいそうです。
あと、電子体温計。
普通の体温計でも良いのですが、電子体温計がベストだそうです。

簡単な医学書。(家庭の医学、お薬辞典のような物。)
消臭剤 (ファブリーズのような物)が、
至急、欲しいそうです。

なぜ、現場に医療品が足りないのか?
そんな時、国土交通省は、南アルプスにトンネルを通して、
リニア新幹線を作る事がほぼ決定したとか?

話し外れましたが、
皆さんの協力が必要です。
行政は、、、、。

よろしくおねがいします。

至急 欲しい物!

血圧計(アネロイド形が、ベストだそうです。)
旧式なものなら、いっしょに、
聴診器もほしいそうです。
電子体温計
簡単な医学書。(家庭の医学、お薬辞典のような物。)
消臭剤 (ファブリーズのような物)

この書き込みは、できるだけ、
リンクを使い、拡散、おねがいします。

***

4月25日12時26分

祖牛さんより、
連絡が、ありました。
山水人の義援金より、
血圧計と体温計を購入し、
本日発送してくれるそうです。

義援金に協力してくださった皆様。
ありがとうございました。

事後承諾になってしまいました。
アシカラズ。

***

4月26日19時48分

すごいですねぇ。
京都を昨日の夕方、日が暮れてから発送した荷物が、
午後4時到着です。
クロネコさんも、被災地の考慮し、
敏速なる対応をしてくれているんじゃないかと、
勘ぐってしまいます。
今日は、いくらなんでも無理だろうと予想をつけ、
昼ごろ到着した、大崎市のReggaeBanndのVocal,Matchiと、
カリンバ作りのコウスケさんとで、
薪割り、草刈などの、庭仕事をしてました。
うちの裏庭は、上等なワラビが取れます。
しかし、笹に覆われているので、ワラビが出る前に、
ここ2年、笹刈してます。
これでワラビの準備は、OKです。

そんな作業の中、クール宅急便のトラック。
届いた荷物は、予想外の昨日発送の京都、山水人 祖牛様より。
上がちゃいましたね!
一気にボルテージは、レベル7。
今日は風呂と決めてましたが、
まずは、社会福祉協議会が仮事務所を置いている、
気仙沼の福寿荘に向けて、アクセルを吹かしました。

昨日の午前11時。
社会福祉協議会勤務、友達のたまちゃんからの電話。

午後0時すぎ、
MIXI、
山水人のメーリングリスト、
最近俺が、会計報告のために作った、「HIBAKU原人村」なる、
メーリングリスト。
この3つに投稿。

午後0時20分ごろ、祖牛さんより電話あり。
祖牛さんは、ちょうど仕事の材料を買いに量販店に行くついでに、
こちらに送ってくれる物を、買おうと家を出るとこだったそうです。

そんな素敵なタイミングの結果。
友達のたまちゃんは、自分の職場である、
社会福祉協議会の介護保険事業の在宅支援の方々の、
医療道具がないことに胸を痛め、
藁をもすがるつもりで、俺のとこに電話してきたんだと思います。
というか、試しに言ってみたんだと思います。

それがですよ。

彼女が口にして30時間かからずに、
事務所に届ける事が出来たんです。

介護する方の医療道具。
震災から6週間経っても、
届かなかったのに、、、、。

このミラクルな出来事に、興奮気味で、家路に着きました。

これは、ひとつの現象です。
皆さんの善意が、巻き起こした現象です。

「近くの行政より、
     遠くのHippy。」

すこし、近づいたような気がします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする